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Will - Déjà-Vu

Deja Vu by Will (2000-02-08) 【並行輸入品】

Deja Vu by Will (2000-02-08) 【並行輸入品】

元フロント・ライン・アッセンブリー(以下:FLA)のライズ・フルバーとDecreeのクリス・パターソンとJeff Stoddard(この二人は現在FLAにもいる)、John McRaeから成るグループの1stとミニアルバムを足した編集盤。
とメンバー紹介したけど、ビルリーブを抜いたFLAとDecreeとの面子の共作ですね。オリジナルはイギリスのEBM/インダストリアル・ビート系レーベル「Third Mind Records」から出ていた。
この盤はすげー良いです。よくインダストリアル・ビート系のコラボは不発どころか完全なる失投で終わっているのが多いのだが、これは数少ない成功例。ライバッハや同レーベル(Third Mind Records)から出していたイン・ザ・ナースリーみたいな大仰オーケストラをフィーチャーしたマーシャル・インダストリアルにFLAのサイバーなトランスやらDecreeの暗黒インダストリアルを足して身震いが来るような音源に仕上がっている。
重苦しいまでに荘厳なメロディーがメタル・パーカッションやボディ・ビートに乗るというのはライバッハが既に実践しているが、そこへトランスが加わるというのはこのグループが先駆けたことではないだろうか。全くその頃のジャーマン・トランスとは趣が異なっている。まぁ後にライバッハが「NATO」というアルバムで見事にその融合を昇華させるが。
ライバッハにしてもそうだが、クラシック音楽にある重苦しさや民族音楽といった土着的なものをインダストリアル系の連中はよくフィーチャーする。テスト・デプトなんかもバグ・パイプを挟んで来たりする。またもろケルト音楽みたいなアルバムも出していたり。SPKもそういうアルバムを出していたな。日本のヴァジリスクはその路線だ。リチュアルノイズと呼ぶらしいが……。
その辺りは1990年代半ばのサイケデリック・トランスやゴアに回収される。てか割と作っている人が同じだったりするから大きく変えているわけでもないのかもしれない。ジャンル名が変わっただけというか。ジュノ・リアクターの1stだって出た頃はエレクトロニック・ボディ・ミュージックの範疇で語られていたみたいだし。
FLAやDecreeのエレボディやインダストリアル・メタルを期待する向きには全くお薦めできないが、ライバッハやイン・ザ・ナースリー、またはコールド・ミート・インダストリー系のゴシック・アンビエントが好きな向きにはお薦めしたい一枚。