Ax - Gorge Electro DX

Gorge Electro DX

Gorge Electro DX

日本のゴルジェ(なのかな?)アーティストの1st(?)。
リリースの経緯やら「ゴルジェ」なるジャンルの解説はこのCDの解説文やネットなどで読めると思うので自分はそちらに任せたい。自分はちょっと違った観点から攻めてみたい。まぁその観点とやらも既にあるのかもしれないが……。
最近になって1980年代のノイズ・インダストリアルやパワーエレクトロニクスを聴くようになった。ラムレーやホワイトハウス、初期SPKなどだ。彼らが思想的な面で表現することはさて置き、ヴォイス、メロディ……鳴る音全てがディストーションノイズという暴力としか思えない音が全編に亘って展開する。鬱屈の吐露、リビドーの迸りしか感じない音像は圧巻だろう。エレクトロニクス・ノイズ、インダストリアル・ノイズで表現するハードコア・パンクと表わしてしまった方が適当だ。この流れは1990年以降も続き、また亜流も生んでいる。その亜流について書きたいのだが、いかんせん自分もまだまだ浅いので、既知の向きには苛立ちを覚える文章が続くことをお詫びしたい。
ノイズ・インダストリアルの一部は1980年代後半になるとエレクトロニック・ボディ・ミュージックやその派生であるニュービートへと引き継がれる。しかし、全く別の派生もありそれが「リズミック・ノイズ」だ。
例のインダス本こと「INDUSTRIAL MUSIC FOR INDUSTRIAL PEOPLE」にあるテクノイズ紹介頁を読むとどうやら1990年代半ばから目立ったレーベルが立ち上がってきたよう。アント禅、ハンズ、ダフトらが中心のもよう。そしてこれらのレーベルから出てきていた音こそ本エントリで紹介するCDに近い。コンバーター、シナップスケープ(と読めばいいのだろうかね)、ノイゼックス……。極端に歪んだエレクトロニック・ビートにこれまた歪んだヴォイスやらノイズが乗っかる。それは1980年代の「パワーエレクトロニクス」となんら変わりのないちょう暴力音楽。エレクトロニック・ボディ・ミュージックを通過したパワエレとでも呼びたい感じが横溢する。
ダンサブルにしてうるさき音楽。近年、ダヴステップの方面でも聴くことができ、代表的なアーティストを挙げるならデッド・ファダー、クロークスだろうか。本エントリで紹介するアルバムもまたその方面でのダヴステップをも吸収しながらシナップスケープ感じるダークかつ粗野でパワフルなインダストリアル・ビートを魅せる。ちょう傑作!買え!以上!