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Coptic Rain - Dies Irae

Dies Irae

Dies Irae

ユーゴスラヴィア、現スロヴェニアのインダストリアル・メタルバンドの1st。
旧ユーゴのインダストリアル系バンドというとエレボディ色が強いライバッハやボルゲイジアなんかが浮かぶが、スラッシュ・メタルなバンドもいるよう。で、このバンドがそれ。
というかこのバンド及びアルバムの音はライバッハ云々よりはレーベル「Dynamica」で語ったほうが最適な感じを受ける。「Dynamica」は1990年代の欧州やUKで最重要と呼んでも過言ではないインダストリアル系メタルレーベルだろう。多くのインメタバンドを輩出しており、代表的なバンド及びグループはCubanate、Think About Mutation、OOMPH!だろうか。Machinery RecordsというZoth Ommogとともにエレボディ系の残党を引き受けたレーベルのサブではあったが米国のミニストリーナイン・インチ・ネイルズとはまた違ったそれを数多く出すことに成功していた。レーベルの銘「Metal-Hacking Industrialism」は素晴らしいの一言。
このバンドはスラッシュ・メタルを取り込んだことから「旧ユーゴのミニストリー」なる称号を得ていたそう。でも一聴すると気が付くようにミニストリーの眷属バンドだとは誰も思わないだろう。硬質なエレクトロニック・ビートの上をうるさく速く切り込んでいくようなギターにサイバーかつアシッドなデジタル・リフ、そして歪んだヴォーカル。正にDynamicaのCubanateやOOMPH!を思わすサイバー・パンクスなインダストリアル・メタルでこのレーベルカラーに相応しい音だ。ディー・クルップス的な熱さを持ちながらもトランスをも取り入れたそのメタルは「Dynamica」からしか出てこない音だろう。
常に新しい音を模索し自分たちの血肉とするその姿勢はNINやミニストリーの成功で安易に「インダストリアル」を取り入れた凡才メタルバンドらに大きな差を魅せつける。勿論NINが好きな向きにもお薦めできる内容だがメタルを敬遠しがちなトランス、テクノを聴く向きにもお薦めしたい一枚。また本エントリで紹介したアルバムだけでなくレーベル「Dynamica」の他のバンド達も聴いて貰いたい。