読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

V.A. - Electro-Genetic

f:id:moistly:20160625175151j:plain:h200
ベルギーのEBM系レーベル「KK Records」のコンピレーションアルバム。
1980年代後半からベルギー、西ドイツを中心としてEBM、そこからのニュービートレーベルが多くあり、このレーベルもその一つ。しかし、1990年代に入ると他の似たようなレーベルはテクノやトランスへと移行していった。R&Sはその手のレーベルとして有名だ。
でもこのレーベルは1990年代を通してカナダのNumbや北欧のCat Rapes Dog、米国のKode IV、ベルギーのInsektといった1990年代に入っても名義を変えずに活動していた連中がいたりしてZoth Ommogを思わすレーベルだった。かと思えばゴア、サイケデリック・トランスへと通じるトライバル調のPsychick Warriors Ov Gaia、ダヴ・ハウスのMinister Of Noiseという新しいバンドやアーティストもいたりして他の元EBMレーベルの変化ぶりからすると中途半端な感じを受ける。
しかし、コンピを聴いていると前述したEBM系バンドの音も様変わりをしている。冒頭の日本は札幌を拠点としていた2nd Communicationの音からもその変わりようが解る。ノンヴォーカルトラックで疾走感のあるギター・リフと発信音のようなデジタル・リフ、トランシーなエレクトロニックビート……。トランスとプロディジーの中間を行くような新鮮な音に驚かせられる。また同じく札幌を拠点としていたエレボディ系デュオ、DRPもスピーディーなハードコア・テクノを奏でている。他のバンドたちもサイケデリック・トランスへと通じるメロディを多用しており時代の狭間を聴かせてくれる。
この時代においては錯誤もはなはだしく、Zoth Ommogのようにインダストリアル・メタルとエレボディ系に振り切ったレーベルからすると中途半端だが、その中途半端ぶりがかえって混沌と移り変わりの狭間を魅せてくれるのは貴重ではないだろうか。欧州というかベルギーらしくエレクトロニックに拘った点もまた良い……。見つけたら即買いの一枚。お薦め。