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The Electric Hellfire Club - Kiss The Goat

Kiss the Goat

Kiss the Goat

アメリカのインダストリアル・メタルバンドの2nd。
1990年代、ナイン・インチ・ネイルズらの成功により所謂「インダストリアル・ロック」は隆盛を極めていたが、その流れを作ったレーベル達は瀕死の模様でWax Trax!はチャプター11を喰らって倒産(後にメジャーのTVT傘下となりUKやヨーロッパのテクノをライセンスリリースするレーベルに移行した)、カナダのネットワーク、イギリスのMUTE、ベルギーのPIASは当時ヨーロッパで台頭していた「テクノ」、トランス」へと移行し始めた。小さなレーベル達もこれの後に続いた。
しかし、その流れを引き継ぐレーベルも幾つか現れ、それが本エントリで紹介するバンドがいたレーベル「クレオパトラ」。この「クレオパトラ」はWax Trax!倒産に伴って難民していたバンド達を救い上げると同時にヨーロッパのその手のジャンルをライセンスリリースするという旧来の「Wax Trax!」カラーを見事に引き継いだ。でもこのレーベルの面白い部分は更に「ゴス」方面の音源も積極的に出していたとこだ。クリスチャン・デス、サザン・デス・カルトなどのゴス・ロック……日本で呼ぶとこの「ポジティヴ・パンク」の旧譜を再発するなどして「Wax Trax!」とはまた違う路線をも目指していたようだ。
しかしながら、このポジパンはインダストリアルには重なる部分も多い。それはスキニー・パピーのヴィジュアルイメージ、そして同バンドのエンジニアをしていたデイヴ・オギルヴィが手掛けたマリリン・マンソンを見れば納得するかと思う。そういうことを鑑みるに、このレーベルの慧眼には見張るものがある。
このバンドもそのポジパン的なヴィジュアル・イメージと1980年代のボディ・ミュージックをスキニー・パピーよろしく絡めている。しかしスキニー・パピーが「ノイズ・インダストリアル」に拘るのに対して、このバンドはニッツアー・エブやフロント242的なノリ、つまりハードでダンサブル……というノリをポジパンと結びつけている。またそこにNIN由来のメタルを挟み込もうとしている。これは日本のソフト・バレエに少し似ているのかもしれない。V系とエレボディの融合という点で。
ポジパン化したニッツアー・エブ。ソフト・バレエが好きな向きにもお薦めしたい一枚。クリスチャン・デスとニッツアー・エブが交差するとき……。