Leæther Strip - Retention No 3

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祝来日!デンマークのダークEBM/ビート・インダストリアル系アーティストの2nd+2nd再録という二枚組ボックスセット。
アメリカのクレオパトラ、ドイツのZoth Ommog、Off Beat、Machineryというレーベルが霧散したハズのEBM、ビート・インダストリアルを1990年代に亘って展開していた。その奮闘ぶりが我日本のメディアで取り上げられることは皆無に等しかったようだが(当方、後追いのため間違ってる可能性高し。メディア展開情報求む!)、今日日ネットを覗いてみるとリアルタイムで聴いてた人間は幾らかいるようで、その人たちの情報は(自分にとって)宝だ。
このボックスは冒頭にも書いた通りだが、本エントリでは2ndを取り挙げたい。2ndは1992年に発表されたアルバムだが、1989年に出した1stよりも格段にレベルアップをしている。前作は初期スキニー・パピーとフロント242を融合させたような音で中々に光るものがあったが、音のスカスカぶりが隠せなく、なんとも惜しさがあった。しかし、このアルバムはどうだ。歪んで性急なエレクトロ・ハンマー・ビートに錆一つないメタル・パーカッションの上をこれまた歪んで陶酔感のあるダーク・メロディにアシッド・シンセ・ベース、そしてディストーション・ヴォイスが吠える。前半のスカスカを歪んだシンセベースと怪しげでトランシーなメロディが埋める。またよくダーク系EBMやインダストリアルにありがちなダルさは無くひたすらに疾走と緊張感を前面に推しだす。ナイン・インチ・ネイルズがニッツアー・エブを演ったらこうなるのかもしれない。
正に「随分と鍛え直したな……」と言いたくなるアルバム。2ndにしてちょう傑作!このボックスを出したレーベル「アルファ・マトリックス」は日本でも入手し易いので興味を持たれた向きは買ってみるといいだろう。