Hocico - Aquí Y Ahora En El Silencio

Aqui Y Ahora En El Silencio

Aqui Y Ahora En El Silencio

メキシコのダークEBM/アグロテックデュオのEP。
メキシコの音楽……というか南米(ブラジルとか)はデス・メタルやハードコア(パンク)が盛んで宇川直宏氏曰く「違う宗派の説法を無理やり聴かされている様な錯覚に陥る」というもの。桁違いの犯罪が蔓延る南米のリアルを音楽で思う存分に聴かせてくれるわけだ。
このデュオは1990年代半ばから活動し始めるという長いキャリアを持っている。基本的にどの盤も同じだが、イケイケのダッチ・トランスの様な2000年代前半の作品よりも初期と近年はガチガチのハードコア・ボディなので本エントリではその時期の作品を紹介したい。
野太いながらも性急なエレクトロ・ハンマー・ビートの上をゴシカルでダークかつトランシーなメロディとデンデケシンセベースが疾走し、そしてブラック・メタルかと思うような歪んで潰れていて全く何を言っているのか聴き取れないようなシャウトがこれまた同様に疾走する。リビドーの迸り、怒り、鬱屈が爆走していく恐ろしき作品。似たようなバンド、アーティストを挙げるならSuicide Commando、アンプスカットだろうか。
フロント242、ニッツアー・エブ、リヴォルティング・コックス、スキニー・パピーが南米のハードコアとミックスされることにより産まれるメヒコ・ボディ・ミュージックが此処に……。お薦め。