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E-Craft - The Roots

The Roots

The Roots

ドイツのEBMバンドのベスト盤。昨日に引き続き「EBM Kult Klassiker!」シリーズ。
ドイツのエレボディといえば真っ先に挙がるのがDeutsch Amerikanische FreundschaftことDAFだろう。このバンドもご多聞に漏れずDAFなのだけど、それで終わらすにはもったいないのでもう少し書いてみたい。
所謂「エレクトロニック・ボディ・ミュージック」を作り上げたのが冒頭にも挙げたDAFだが、もう一つ挙げたいのがディー・クルップスだ。ディー・クルップスはDAFと比べると旧来のバンド形式なので音数も多く、(音数を)削ぎに削ぎ落としたDAFからすると趣が異なる。メタル・パーカッションやインダストリアル・ノイズを多用した音作りは比べるなら同じくドイツのEinstürzende Neubautenが最適だ。
しかし、ディー・クルップスの1980年代の音源を聴けば解ると思うが、ノイバウテンのそれとは違いダンサブルかつグルーヴィーに疾走していく「エレクトロニック・ボディ・ミュージック」なのだ。DAFノイバウテンを融合させたのがディー・クルップスなのかもしれない。
盤の紹介に戻ると、前述した通りDAFなボディ・ミュージックなのだが、1980年代のディー・クルップスでもある。というかクルップス色の方が強い。この時期(1990年代半ば)のクルップスは1990年代初期からの「インダストリアル・メタル」に傾倒しており、様々なスラッシュ系のメタルバンド達とコラボするなど以前の彼らからは推理することが出来ないバンドになっていた。
このバンドはその空いたポストを埋める様なポスト・クルップスだ。しかし、デペッシュ・モードを思わせる様な艶めかしく哀愁のあるエレクトロ・ポップスを挿し込んでくるなど、只のクルップスフォロワーに留まらない音を魅せてくれる。
メタル・パーカッションに性急なエレクトロ・ハンマー・ビートの上をうねるアシッド・シンセ・ベースに陶酔感あるシンセメロディが疾走し、それに合わせてヴォーカルが吠える……そんなニッツアー・エブ、(1980年代の)ディー・クルップスが好きな向きは必聴の一枚。お薦め。