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T.H.D - Outside In

Outside in

Outside in

アメリカのインダストリアル/EBMデュオの2nd。
1990年代に入るとEBMが衰退して欧州では主にトランス、米国ではインダストリアル・メタル及びロック、またはオルタナティヴへと移行かつ吸収されたことは何回かこのブログでも書いたと思う。しかし、米国、欧州ともに幾らかのレーベルはこの手の音楽を出し続けていた……というのもこのブログでも何回も書いてきた。
この二人組もその生き残りで1stは残党の巣窟ことアメリカのクレオパトラからで2ndもまたクレオパトラ。内容は前作と同様に「エレクトロニック・ボディ・ミュージック」ではあるがクオリティが格段に上がっている。フロント・ライン・アッセンブリーの「Tactical Neural Implant」を思わすサイバーなエレボだった1st。しかしながら、どの曲もデモテープかと思うような音質で、粗削りながら光るものがある、などど言う自分でも「消費者風情が何を偉そうに語ってるのだろう」と思うことしかできないアルバムだった。
しかしどうだろうこの2ndの素晴らしい出来は。FLAをよりトランシーにしたサイバーでダークなアシッド・エレボ、殆どゴア、サイケデリック・トランスの様な曲、おどろおどろしいダーク・アンビエント、スキニー・パピーを思い起こさせる五月蠅き漆黒のインダストリアル・ビートもの。動と静が上手く機能した、アルバムを通して聴くことを可能としている。この頃のFLAはスラッシュ・メタルを取り入れ、エレボからは離れていただけにこの更新具合は当時のファンの溜飲を下げたことだろう。スキニー・パピーも休止状態であったから尚更だったに違いない。
1990年代前半のFLAが好きな向き、1990年代のエレボが好きな向きにはお薦めしたい一枚。なお近年、片割れのShawn Rudimanは幾つかのデトロイト・テクノ系のレーベルから音源を発表している模様。ダニエル・ベルのレーベル「7th City」からも一時期、音源を出してたようだ。