Laibach - Also Sprach Zarathustra

Also Sprach Zarathustra

Also Sprach Zarathustra

ユーゴスラヴィアのインダストリアル系バンドの16th。
前作のブロステップ調のEBMから一転、マーシャル・インダストリアル一直線なものから、ネオクラシカルIDMまでとかなり実験的なアルバム。
だが、一聴してライバッハと解ってしまうのは圧巻。前作のブロステップもそうだけど、彼らは自分たちの音を崩すことなく、新しい音を取り入れるのが上手い。
ライバッハはチトー大統領の死後……つまり1980年から活動している息の長いバンド(その間に国が解体してしまう!現在はその旧ユーゴからいち早く脱退したスロベニアを活動の拠点としている)だが、実は流動的でその時によってメンバーがかなり違っているよう(しかし、例の四人は必ずいた。近年までは)。なので、結構時流に沿った音を出して来ていたりする。アルバム「Kapital」でハウス、「NATO」ではトランス(リミックスにその時点ではかなりアングラだったジュノ・リアクターを抜擢!)、「Jesus Christ Superstars」ではインダストリアル・メタル……。
が、さっきも書いた通り、ライバッハ印は全く持って健在なので驚いてしまう。これほどまでに核がしっかりとしたバンドも珍しいかも。
このアルバムは前作の様な激しさを求める向きには物足りないだろうが、彼ら特有の重厚さ荘厳さは過去のどの作品よりもあり、そのノリが好きな向き(俺だよオレ!)にはお薦めしたい一枚。また新たな一手を出してきたライバッハには今後も期待できそうだ。個人的に今年のベスト。