Tommi Stumpff - Terror II

Terror II [Analog]

Terror II [Analog]

ドイツはデュッセルドルフを拠点として活動していたパンクバンド、 Der KFCのメンバーによるソロアルバム二作目。
DAFリエゾン、ベルフェゴーレなどなど後にEBMの基礎となったジャーマン・ニューウェイヴから諸国ニューウェイヴバンドのPちゃんを担当していたコニー・プランクをこれまたPに迎えて幾つかの音源を出していたのが1980年代初頭。それっきり音沙汰が無かったトミー・シュタンプが1980年代末期になって復活。そしてこのアルバムはその復活一作目。しかしながら、コニー・プランクの名は無い(1987年に他界)。
このアルバムは仕切り直し……というべきもので、過去のフィータスを思い起こさせるキチガイテンションは希薄で、どちらかと言えばライバッハやボルゲイジアにニッツアー・エブを足した様な全体主義を感じる直線的なエレクトロニック・ボディ・ミュージック
当時(1988年)某音楽雑誌がこのアルバムのレビューに「デジタル・ワグナー」と書いたそうだが、前述したようにライバッハを感じる扇情的なオーケストレーションがニッツアー・エブ的なエレクトロ・ボディ・ビートに乗っかる様はそのデジタルなワグナーを喚起せずにはいられないだろう。
当時のEBMシーンに対する返答か?と思わせる様なアルバム。ミニストリー、リヴォルティング・コックス、ニッツアー・エブ、ライバッハ……当時のシーンの役者たちが浮かんでくるのと同時に古のノイエ・ドイチェ・ヴェレも浮かぶ全き稀有なアルバムだろう。お薦め。
ちなみにデジタル・リマスターでアマゾン表記ではLPになってるがCDです。