Kode IV - Silicon Civilisation

Silicon Generation

Silicon Generation

アメリカのEBM系ユニットの3rd。
EBMから派生したニュービートが後にトランスへと移行、またEBMから派生したインダストリアル・メタルないしインダストリアル・ロックがオルタナティヴ(ロック)に吸収されたことは幾度かこのブログで書いてきた。
本エントリで紹介するアルバムはその前者のEBM⇒ニュービート⇒トランスへと見事な移行を遂げたユニットによるものだ。
このユニットは1980年代後半から1990年代前半のベルギーに幾つも在ったEBM/ニュービート系のレーベル「KK」から出していて、(このレーベルらしく)1st、2ndはエレボディだった。しかし注意深く聴くと、他のバンドからのサンプリング(大胆にもニッツアー・エブのベースラインをサンプリング)、また他ジャンル(アシッド・ハウス)からのサンプリングが目立ち、そしてエレクトロニックでダンサブルなノリに拘る音像は、エレボディというよりはやはり当時の数多のニュービート音源を思わせた。
このアルバムはそのニュービートの抒情的、ダークさを更に拡大させて、トランスへと進化させている。またゴア・トランスの伝説的な人物と言われているゴア・ギルも参加。どういう経緯で参加することになったのかは不明だが、それがそのトランスぶりを加速させている。もしかしたらゴア・ピープルだったのかもね、彼らは。ちなみに本ユニットのPeter Ziegelmeierはこのアルバムを出した一年後にゴア・トランス、サイケデリック・トランス系レーベル「Ceiba Records」を立ち上げている。見事だ。
EBM⇒ニュービート⇒トランスの軌跡が此処に……。興味を持たれた向きは1st、2ndを聴くともっと解り易くその軌跡を聴くことが出来るだろう。お薦めの一枚。