Delerium - Chimera

Chimera

Chimera

Front Line Assemblyの中心的人物Bill Leebらのプロジェクトの11th―。
まだまだ寒い日もあったりするのですが暑い日もあったりして季節は動いていると感じる今日この頃。そんなこれから時期にぴったりなアルバムはないかなーと考えていたところ本エントリーで紹介するアルバムにあたりました(まだ紹介するには早い時期だったりするんだけどね)。Front Line Assemblyの方凶悪なインダストリアル・メタルだったり激しいEBMだったりするのですがこちらのプロジェクトはチルアウト向きといえばいいんでしょうか、気持ちを冷ましてくれる(ほっとさせてくれる)アンビエント・シンセポップといった感じ。シンセポップといっても80年代的な音使いではなくて90年代のドイツから出てきた80年代を感じさせないシンセポップになっている。このプロジェクト、過去作はどちらかというと内省的な音だったんですが、この作品は開放的な音に満ち溢れている。アコースティック・ギターや生ピアノとエレクトロニック・サウンドが奇跡的な配分で融合しており、まるで2000年前後に現れたフォークトロニカの連中がエスノ臭のあるシンセポップをやっているような感じ。でもフォークトロニカといっても彼らのバックボーンに90年代の音響系があるのに対し、このアルバムはそれとは違ったものがある(それは民族音楽だったり宗教音楽だったり)。
とにかくメロディが素晴らしく、初夏の午後、自転車を漕ぎながら聴きたい(あれいけないんだったけw)アルバムだ。これから暑い日が増えてくるこの時期にお薦めの一枚。