Nine Inch Nails - Year Zero

Year Zero

Year Zero

5th。
のっけから歪んだドラムにギターノイズの嵐。前作のあっさりとしたシンセ・ポップ路線から90年代のインダストリアル路線に帰ってきた。でもだたの90年代回帰ではなく、「The Fragile」のLeft盤をより00年代のエレクトロニカに、インダストリアルにした感じ。これは師匠筋のSkinny Puppyに近いものがある(特にそのサイドプロジェクトであったDownloadのインダストリアル・エレクトロニカに限りなく近い)。最初は難解でとっつきにくいなぁと思っていたが、何回か聴いている内になじんできたと同時に「The Fragile」同様よく作りこまれた音でこれは凄いなと。この聴けば聴くほどに作りこまれた音は随分とあっさりとしていた前作の反省からなのだろうか?とにかく一曲一曲の音の密度が半端じゃない。
また前述したとおり、曲ごとの完成度は凄いが、それが分かるのは全体を通して聴いてからじゃないと分かりづらいかも知れない。Skinny Puppyの「Last Rights」や「Too Dark Park」のようにどす黒い音の塊がぬるぬると身体に密着して通り過ぎていくような感覚が味わえるのだ(だから↓の動画だけで判断してはいけない……と思う、読者諸君よ)。
前作から一転、インダストリアル回帰した本作、これが彼の後の標準になったかは、彼を今現在でも追っている人ならお分かりでしょう。