Die Krupps - Odyssey of the Mind

III: Odyssey of the Mind

III: Odyssey of the Mind

ドイツのインダストリアル・ロック/EBMバンドの6th。
90年代前半から始まったインダストリアル・メタル3部作の最終作。この作品で彼らは方向性を極めた。前作のボディとメタルの融合はより進み、完成の域に達している。それに今作は一部80年代の彼らの独自性を示したメタル・パーカッション(これを彼らはシンカッションと呼んでいる)が復活している。金属音が戻ってきたことにより、インダストリアルの要素も取り戻した。しかし、メタルなギターと合わさった金属音は80年代のそれとは違い、映画「鉄男」の石川忠の手がけるインダストリアルに近い。そう、このアルバムは映画「鉄男」のサウンドトラックとしても機能するアルバムである。心臓が金属音をたてる……。
前作のようなボディ・ビートの上をこれまたボディィィィィ〜〜〜なシンセベース、スラッシュギター、連打される金属打撃音(無い曲もある)、やたら滑舌いいヴォーカルが疾走する。
以上、彼らは前作のボディとメタルの融合をさらに深めたと同時にメタル・パーカッションという80年代の遺産を復活&進化させた。インダストリアル・ボディ好き、インダストリアル・メタル好きは買いだろう。次のアルバムではこれが無くなってしまって面白みに欠けるのだが……(まあ、あれはあれで別の意味で良い)。