Anguisette - Creation Chamber

Creation Chamber

Creation Chamber

アメリカのロック・バンドThe Sinsのバイオリンとキーボードを担当するJyri Glynnによるソロ・プロジェクトの1st。
夏っぽいし、本当はもうちょっと早い時期に取り上げたかったのだけど、配送に時間がかかって。まぁいいか。
これはいいDeleriumタイプのトリップホップですね。ロックバンド出身なのに、エレクトロニックを分かっている。あとゴスも(まぁこれはThe Sinのマイスペ*1見ると、Sisters of MercyとかType O' Negativeとか挙がっててああって感じなんだが)。
ロックバンド出身とあってか、ギターの使用頻度は多いんだけど、先に書いたようにエレクトロニックの使い倒し。エレクトロニックでしか表現できないことを分かっているし、知っている。その上、機材に振り回されず、奴隷気分で調教してる。確かに、Deleriumを参考というか参照している箇所も多いんだけど、それを超えるオリジナリティと緻密な構成。90年代のブリストル・サウンドに民族音楽やゴスをぶち込んだ全く新しい(かな?)音楽。スローな打ち込みビートの上を涼しげで時にゴスいシンセ、時にサイバーなシンセ、ラウドなギター、中近東辺りの音楽を思い起こさせるバイオリン、そしてちょっとロリで無国籍な女性ヴォーカルが絡む。
これは2010年代の民族音楽である。Delerium好きは必聴。聴けば分かるさ、この新しさ。