Twitterから抽出した小説らしきもの

裸のランチ (河出文庫)

裸のランチ (河出文庫)

ソフトマシーン (河出文庫)

ソフトマシーン (河出文庫)

おかま

おかま

猛者(ワイルド・ボーイズ)―死者の書

猛者(ワイルド・ボーイズ)―死者の書

今年にかけてTwitterで書いた小話を抽出してみました。あとここでその元ネタ(知りたくも無いと言う方もいるだろうが)の解説していこうかと。まあ殆どはWilliam S. Burroughsの著作が元ネタとなっているのだけど。なおここでは彼の功績や経歴については一切言及しない。まぁ彼について興味を持った向きは色々と調べてみるといい。

現状、ロリコンは悪である。だから児童ポルノの所持の表明は潜在的ロリコンを刺激する。彼ら(顕在的ロリコン)は潜在的ロリコンに銃で撃たれることを覚悟しなくてはならない。顕在的ロリコンはコックさらけだして土下座。
「ペニス検査ですぞ!」
と教室に入るなり女教師開口。
「うひょーまじかよwww」「テラヤバスwww」
と学生達。仕方なくズボンを下ろす学生たち。その内一人は盛大に勃起。
この「ペニス検査」とはロリコンどもを発見するもので、どうみても小学生にしか見えない(しかも美少女だ!)女教師(MIT大卒、26歳)が扇情的なポーズをとり、結果ペニスが勃起した生徒はロリコンと見做され、矯正施設に送られるのである。そのため、健在的・潜在的ロリコン達はこの検査を無意識的に恐れ、嗚咽する者、ペニスを右手でつかみホモに助けを求める者などがいた。
ロリコン陽性反応が出たものは矯正施設送りとなるが、どのような矯正プログラムかといえば、定期的にヘロインを静脈に注射させジャンキーに仕立てることである。ヘロインを打てばひとたび強烈な快感が襲ってきて、他のことはどうでもよくなる。それにヘロインは強烈な抑制剤だ、例え美少女が脱ごうがペニスは一勃ちもしない。こうしてロリコン達は立派なジャンキーとなって社会復帰するのだ。


これは「裸のランチ」が元ネタ。本当は大学が舞台で講義中、教授が行う同性愛的セクハラ話なのだけど、それをロリコン的セクハラ話に改変。大学にすると自分にはリアル過ぎるので高校、中学を舞台にしました。ロリ教師はライトノベルや漫画で出てきそうなキャラを設定。

ある夏の午後、あるエロゲーを作っている会社の開発室に女性声優達、登場。
開口一番
「ねぇ、いつまですてきにコーマン声をあげさせるつもりなの」。
徹夜続きで目&心が死んでいる企画屋&シナリオライター達面食らった表情。
反応を見ずに声優達続いて
「もうすてきにコーマン声あげんのに飽き飽きなんだよっ!クリエイター様方!」
それはいつもゲーム中に出しているロリ声とは違う低いドス効いた声で声優達の発言の本気度が伝わってくるようであった。クリエイター達、その発言で目が覚め、同時に夏の気候で弛んだ金玉が縮む。女性声優陣、退場。声優達が吐いたつばのすえた臭いが残る。
その後、これに伴いシナリオライターは改革を実行。エロシーンを全体の1割程度に収め、後の9割を物語で埋めた。物語は泣けるようなものにした。これが00年代前半に起こった「泣きゲー」ブームの正体である。


これは「猛者」が元ネタ。元はブルーフィルムの俳優達がスポンサーに対して
反旗を翻す話(コントロールされる側とする側の逆転)なのだけど、筆者はオタクなのでエロゲーに変えましたw。自分はコントロール問題には興味が無くて、誰かが書いてたけど「泣きゲー」が増えたのは、オタクと呼ばれる変な生き物が抱える、異性への不安感と嫌悪が背後にあるのではないかと。それを顕にするための考察的小話。

2009年、おれは就活していた。がぜんぜんだめだった。しかし2009年の暮れ、おれはあるコネで政府の仕事をし始めた。誰のためかは知らないけど、交通標識、新聞、会話の断片から受ける指示に従って働く公共エージェントとなった。
今現在の仕事はコミックLOを、ブツがコミックLO中毒に罹っている例のロリコンどもに届く前に横取りすること。コミックLO中毒は、エージェントのおれが中古レコード店に中古エロゲー店を見回っている、ショタコン漫画で抜いている限りは法律違反で麻薬並みの扱いだ。
その日の一番最初の獲物は、秋葉原アニメイトB1Fでふんづかまえ
「クソッたれのロリコンめ!」と叫んだ。
「てめぇにけつの良さを教えてやる、教えてやる」
そしておれはベラドンナの軟膏をやつの肛門とちんぽこに塗りつけた。ベラドンナは幻覚、催淫効果がある。中世ヨーロッパの魔女達は頻繁に使用した。彼女たちは軟膏を体表に塗りつけたり、ほうきのの柄に塗ってそれを直腸や膣に挿入するなどして、幻覚性のマスターベーションに耽ったのである。
店内のおまんちょ漫画好きにそんな説明をしている内に件のロリコン発情。もろ勃起。ちんぽこから乳液が一滴したたり落ちる。
「は、はやく、挿(い)れてくださぁぁい!!!」
「よしお望みどおりにしてやるぜ」おれ挿入。乱暴に出し入れ。
「ひ、ひぎー。きもひいいー。神様、きちゃいそうだよょょょぉぉ〜〜〜!!!」
ロリコン、げんこつ作って噛みながらあえぐ。「あははは、明日から田亀源五郎先生の漫画で抜くんだな!そら!」おれさらに激しく出し入れ。絶頂近し。
「い、往くー」
ロリコン勢いよく店内の床に噴出。おつゆは銀色に輝いている。
噴出した際、店内でロリエロ漫画を立ち読みしている3人の客にはねを飛ばした。おれは3人にウィンクした。「罰当たりのロリコン野朗はどこにいたって嗅ぎだせる」意味ありげに鼻をうごめかす。「それとな、世の中にロリコンより悪いものがあるとしたらそりゃあヤクの臭いだぜ。ところでてめえらはとつぜん後ろを向いてコミックLOを隠す、裏切り野朗じゃないだろうな」3人は床の上で三猿みたいなポーズをとる。見ざる、言ワザル、聞カザル。「それでいい、みんなおれたちの仲間だな」とおれは温かく言葉をかけて、店を後にした。


「ソフトマシーン」が元ネタ。ゲイの部分をロリコンに変換。これも先の元ネタのようにコントロール問題。バロウズはゲイだから、その性癖に関してのコントロール問題を提議しているのだが(もっと知りたい向きは原著を読むことをお薦めする)、自分は2次元ロリコンオタクの問題にすり替え。あとべランドナに催淫性はありません(せん妄状態になるのと魔女がマスターベーションに使ったという話は本当)。

木枯らしが吹き始めた11月の午後の部屋。明久はバカ。秀吉は男の娘。秀吉は「NEWSWAVE」のWAX TRAX!特集を読みながら言った。「おぬし、姫路さんとデートに行ったそうじゃな」「えっ?ああ!うん……映画観に行った」「よかったのかのぉ?」「まあ、えへん!そう悪くはなかったんじゃないかな」明久は心許ない様子で言う。「そなたの求めているものではなかったのかもしれんのう?」明久は窓際に立って外を見ている。そして股間をかく。「なんかものすごくかゆいよ」面倒くさそうに秀吉は「NEWSWAVE」を床に落とす。そして明久を見る。「かゆいって、明久?どこじゃ?」明久は窓からふりかえる。「ここんとこだよ」と股間かきながら言う。
「こっちにこい、明久」明久は椅子の前まで歩いてゆく。秀吉は脚をひろげる。「ここんとこ」明久は秀吉の正面、ひざの間に立つ。「ズボンをおろすんじゃ、明久」「えっ?なんで?」「なんでもいいから言うとおりにするのじゃ。見たいものがあるのじゃ」明久はぎこちなくベルトをいじくる。
「じっとしてるのじゃぞ」秀吉は明久のベルトをはずす。やさしい正確な指でズボンとショーツのボタンをはずし、引きおろす。それが明久のかかとまで落ちる。立ちつくす明久は、かいたせいでちんぽこが勃起しかけていて口は渇き心臓はドキドキ。秀吉は手をのばして明久のちんぽこを二本指でつまみ片側にずらし、もう片方の手で陰毛をかきわける。赤い斑点を指さす……「見るんじゃ明久」
……ああ、神さま!きちゃいそうでもう止まらない。秀吉がこちらを見上げ明久は真っ赤になって唇をかんでいる。
秀吉はゆっくりと微笑して三ひねりで指をさしこみ、明久のちんぽこはとことん張りきって心臓の鼓動にあわせて脈打つ。


「猛者」が元ネタ。文中の秀吉と明久は「バカとテストと召喚獣」から。ネタ元は妙に描写が細やかなので、バロウズが実際に経験したことなんじゃないだろうか。特に深い意味は無いです。混ぜるには面白い文章だったから使っただけ。

11月の夕方秀吉と明久は部屋でミュージックマガジンのバックナンバーを読んでいる。明久はばか…もとい部屋の中央で、秀吉は男の娘……もとい窓際に。「ちょっと寒くなってきたのう。それに暗くもなってきた」秀吉灯りをつけようと立ち上がろうとする。明久「ちょっと隣にいってもいいかな?」
「な、なんじゃ急に」秀吉頬がほんのりピンク色。「いや寒くてさ。いいだろう男同士なのだから」明久強引に秀吉の横に。「ぬ、温いのう」秀吉顔赤くなる
「以外と良い匂いがするのう明久は。それになんだが気持ちがいいのう」秀吉とろけて晩秋の空に雲散。「えへへ、なんだか身体を寄せ合っているだけでこんなに気持ちが良いなんて気が付かなかったなぁ」と明久。
「このまま一緒に溶け合っていけたらいいでしゅね〜」明久赤ちゃん言葉。「……」秀吉1990年代のアニメ映画を思い出す。「気持ち悪い?」明久ほんのりピンク色。「当然じゃ」秀吉表向き憮然とした表情、しかし内心は嬉しい。スピーカーからはMinistryの「Just One Fix」が鳴り響いていた。


「おかま」が元ネタ。また登場人物は「バカとテストと召喚獣」の秀吉と明久。元は恋人(勿論同性)にたわいないくてちょっと物悲しい会話なんだけど、ちょっと変えてほのぼのとしたものに変えてみました。最後のMinistryはビデオにバロウズがちょこっと出演してるから。

いつものようにおれはパソコンの電源をつけ、メールソフトを立ち上げチェック。していたら、件名が空白のメールが来ていた。


moistlyさま
あなたは、ごきげんよろしいほで、けっこです。
あなたのかいた、ライトノベルアニメ化しますから、おいでんなさい。
とびどぐもたないでくなさい。
                   山ねこ 拝


はて、おれはライトノベルなど書いたことが無い。おかしいなぁと他のメールをチェックしていると、聞いたことのない名前の私のエージェントの役を演じている男から「amazon経由で君の書いたライトノベルを送る」というメールが。
そうこうしていると「こんこん」とノック音、おれは開ける。「moistlyさんでしたよね…お届け物です」とおれにブツを渡すと配達人は老いぼれペイ中みたいにそそくさと帰っていった。
早速開けてみると、ほんのりとライトノベルが。題は「変態家族」。絵はかわゆいロリっ娘を書くのが上手い絵師だ。
「まぁ一応目を通していくのもいいか」っとソファに座って読み始めた。
どうやら誰のためかは知らないけど世界各国から召集された下は小学生低学年から上は20代後半までの変態男女が共同生活を通して絆を深めたり、愛を育んだり、成長したりしていく様を描く、この界隈ではよくある擬似家族物語のようだった。
「下らん」おれは一巻目を読み終えると残りの巻をゴミ箱に捨てた。


「ソフトマシーン」から。冒頭のメールは宮沢賢治の「どんぐりと山猫」より拝借。深い意味はありません。ただ面白いから。


という訳で、いかがでしたでしょうか。本物のバロウズには敵わないけど(当たり前だ!)、とにかくバロウズの文章は創作意欲を掻き立てる文章の宝庫なので、このエントリを見ている方も読んでみてはどうですか。