Pitchshifter - Desensitized

Desensitized

Desensitized

イギリスのインダストリアル・メタルバンドの2nd。
90年代後半にジャングル、ブレイクビーツとメタルの融合を試みた彼らですが、このアルバムはそんな姿勢は見られない、ゴリゴリのインダストリアル・メタル。この頃(1993年)は Earacheというレーベルに所属していたのですが、そのレーベルに同じくいたGodfleshと同傾向の音になっている。帯には(自分は日本盤を買った)ポストMinistryなんて書いてあるけど、Ministryのスラッシュは無く、速さよりも重きに重点を置いているので、どちらかといえば前述したGodfleshに近い。でもサンプリングやシンセ、ノイズはMinistryの使い方に似ている。まぁMinistryとGodfleshを繋ぐ点があるとしたら、彼らが挙がるのではないだろうか。
ここからは紹介文というより感想文になるけど、最初本作を聴いた時、すごく戸惑った。なぜならジャングル、ブレイクビーツ期のアルバムとはあまりにも違っていたからだ。打ち込み、デジタル要素は後年と変わりないが、その使い方がデジタル・ロックというよりは、陰気かつ無機質でインダストリアル成分多めなメタルで、これだったらMinistry聴くよと買った当時(といっても今から3年前だが)は思った。しかし、最近になってGodfleshやBig Blackといった、インダストリアル、ジャンクを聴くうちに、このアルバムを引っ張り出してよく聴いている。それで本エントリを書くに至った。
MinistryとGodfleshの中間にはなにがあると問われたら、このアルバムを挙げる。後年のデジタル・ロックを期待する向きにはお薦めしないが、90年代初期のインダストリアル・メタル、ジャンク好きは、聴いといて損はない。お薦め。