Front 242 - Backcatalogue

Backcatalogue

Backcatalogue

1981年から1985年までのシングル収録曲を集めたコンピ。
時期的にはプレEBM期までの楽曲といった感じ。でも最後の方は立派(?)にボディしているので油断するな!
さてFront 242が変化してきたのはいつ頃か、というのがこのコンピで解る。それは7曲目からだろう。ギターノイズを大々的にフィーチャーしたこの曲は、それまで単なるKraftwerkのコピーバンドだった彼らを変えた。Wax Trax! Recordsがライセンスをとったのも分かるインダストリアル具合。以降、ハードロックとダブ(これについては後述)、エレクトロを融合させた結果のEBMに傾倒していく。特に14曲目から16曲目はその時点での完成系だ。歪んだハードダブエレクトロ・ビートの上をハードロック的シーケンスとギター&アーミー系サンプリング、エフェクト効いたヴォーカル。
またもう1つ彼らの音楽性を変えたものがある。それはダブだ。前述した歪んだビートやノイズ、ヴォーカル処理は完全にダブの手法であり、同時期のTackheadを思い起こさせる。ON-Uから出てくるニューウェイヴ・ダブに刺激される形で取り入れたのだろう(これがPankow、Ministry、KMFDM、Skinny Puppyに波及しジャンルを確立するのである)。でもON-Uのように歴史(ジャマイカ)に目を向けず、音響的な面白さに留めている。あとはもうサイバーパンクでしょう。
ボディとは白人のダブ・ミュージックでもあるのかもしれない。プレEBMを知るのは格好のコンピ。お薦め。