Twitterから抽出した小説らしきもの

おかま

おかま

麻薬書簡 再現版 (河出文庫)

麻薬書簡 再現版 (河出文庫)

「おかま」映画化決定記念。前々回*1、前回*2に続いてまたしてもTwitterで書いたウィリアム・バロウズネタの小話。

金曜の夜、明久は秋葉原の「シップ・ホワイ」で秀吉に会った。メイド喫茶でファンシーな内装の店。仕事帰りのオタク達がアニメDVDやらエロゲーを持ち込み、数少ない一般客に不快感を与える。なので明久はここをひいきにしていなかった。
久しぶりに会った秀吉は何だか不機嫌で、明久はメイドさんとレクリエーションをやり終えるまで落ちつかなかなかった。「ねぇ、秀吉……」長いだんまりのあと、明久は言った。秀吉は怪訝な表情でPSPをしていた。声をかけられゲームをやめ、眉を持ち上げた。
「男の娘め、つけあがりだしたな」と明久は思ったが、つれなくて傲慢だからって罰するわけにもいくまい。「なぁ、オムライスを取って二人で食べないか?」「ああ、いいとも」「何て書いてもらう?」「そうじゃな2人の名前をかいてもらうのがいいんじゃないかのう」
明久はメニューを眺めていた。「アラスカ焼きがある。食べた?」「いや」「これはいいよ。外が熱くて中が冷たい」「それでアラスカ焼きっていうのじゃろうなぁ」「新しい料理を思いついた。生きてる萌え豚をつかまえて、すごく熱いオーブンに放り込むんだ。外側はローストで、ナイフをいれると中はまだ生きててピクピクしてるって寸法。あるいは、もっと芝居がかった店なら火のついたブランデーをぶっ掛けた萌え豚が厨房から駆け出してきて、ちょうど客の椅子のところで死ぬ」

「おかま」から。登場人物は「バカとテストと召喚獣」から。面白いので混ぜてみた。

麻生太郎就任顚末記。2013年総選挙で過半数の議席確保した自民党が再度政権をとる。麻生太郎ローゼンメイデンの真紅のコスプレに扮して、官邸に入邸。内閣メンバーどもに指名を受けに来るよう号令をかけた。
まず石原慎太郎防衛庁長官に指名され、石原氏は戦車に乗って都内各所を回り、三国人やDNAの狂ったゲイ、そしてオタクどもを砲撃。
文化庁は年季の入った腐女子を長官に指名。やおい文化課が設立される。官邸の前にキラ×アスラン像を設置する。
環境省はなのは厨のキモオタが長官。コミケ(特になのは関連)の徹夜組みを根絶すべく、システム作りのために故米澤嘉博氏を蘇らせんと、南米からシャーマンを呼び寄せる。
要するに、これまで国に対して忠誠をつくし、白髪まじりの歯抜けになった連中は、即座に極度の罵声をもって免職となったわけだ。
それから麻生は、口にするのも恥ずかしいほど醜悪な行いに身をゆだねた。かれはコンテストをいくつか設立したが、それは人間と言う種が持つもっとも低級な行為や本能を流布させるように配慮されたものだった。
それは「コミックLO早抜き大会」、「オメコ漫画読書週間」、「女児猥褻週間」、そしてだれもがうらやむ「年間この世で最も不快な行為コンテスト」の座。出場者の例:AD/HDの児童からリタリンを盗んだシャブ中、コミケ会場の便所にて同人”オメコ”漫画をネタにセンズリ掻くオタク、児童ポルノニコニコ動画にアップしたニコ厨
麻生は現状の人間に対するあまりの憎悪に全身とらわれており、したがって人類を完膚無きまでに堕落させたがっていたのである。「くったれどもが、喜んで突然変異するようにしてやる」
とかれは、堕落させるべき新たなフロンティアを求めるかのように宇宙を見上げるのだった。

「麻薬書簡」から。(皮肉じゃなくて本気で)石原慎太郎と麻生前首相は素晴らしい人達ですよ。

場面は明久の部屋、明久は窓際に秀吉は明久の対面に座って平山夢明の「独白するユニバーサル横メルカトル」を読んでいる。姉は出かけていた。明久は唐突にテレパシーの話を始めた。
「テレパシーが実在するのは分かってる。ぼくは実際に経験してるからさ〜。証明しようなんてつもりはないよ。実際、誰かに何かを証明しようなんて気はさらさらないんだ。ぼくが興味があるのは、それをどう利用するかって方」
「南米のアマゾンの源流にヤーヘって木があって、テレパシーの感度を高めてくれるそうだよ。まじない師が使っているらしい。コロンビアの学者が、名前は忘れたけど、ともかくヤーヘから薬を抽出して、テレパシンって名づけた。これ全部雑誌の記事で読んだんだ。」
明久は秀吉が話しに乗ってこないのを見てとって、本題に入った。「考えてもみてよ。思考コントロールだよ。誰でもバラして好みにあわせて組み立て直せる。誰かのなんかが気にくわなかったら、『ヤーヘよ!あのルーチンをやつの頭からきれいさっぱり消してしまえ』っていうもんだよ。君の改良点もいくつか考えているよ、秀吉君」明久は秀吉を見て唇を舐めた。
「ほんのちょっと変えるだけでずっといい子になれるんだ。今だってもちろんいい子ではあるけど、でも気になるところがあって、いらいらするんだよ。つまりさ、いつも必ずしもこっちの希望通りに動いてはくれないだろう」
「それって全然眉唾ものではないじゃろうか、ほんとは?」秀吉が尋ねた。「ロシア人はそうは考えていないようだよ。ヤーヘは自白剤として有効だそうだし」梅雨前の東京の蒸し暑い夜、窓から外に生えている勃起の木の実の臭いにおいが漂ってきた。

「おかま」より。登場人物はまたしても「バカとテストと召喚獣」から。ヤーヘがテレパシーの感度を高めるドラッグなのかは「麻薬書簡」を読んでくれ。あと散々バカテスをネタにしてますが、原作読んだこと無いw。アニメは全話観たけど。

バロウズネタの小話いかがだったでしょうか。同性愛ネタは書いてて楽しいというか自分は異性愛を書けない。