VNA Nation - Automatic

Automatic

Automatic

イギリス(最近はドイツに拠点を移したと聞くが)のエレクトロニック・プロジェクトの8th。
前作はちょっと聴いただけで(タワレコのインダスコーナーで試聴しただけ)、あんまり比較できないけど、90年代後半から00年代初期の音に戻ったような。フューチャー・ポップ路線で00年代後半のボディ路線を推す自分としては不満だったけど、繰り返して聴くうちにこれは傑作なのではとこのエントリーを書き出すに至った。
非常に音数を絞っているのだけど不思議と物足りないと思わせない作りは傑作「Empires」を思い起こさせる。壮大なオーケストラと性急なトランスビートで陶酔する。そのためこのジャンルに慣れていない向きには拒否反応が生じるかもしれないが、お酒飲みながら聴いてごらんハマルよ。「Empires」同様、幽体離脱するため「Judgement」と比べると肉体感が希薄。90年代のトランスの名曲「The Age of Love」のマリア様のジャケ如く宗教性を持っている。これは日本人には作れない音楽だと思う。
トランスとボディの中間を行くビートの上を壮大なオーケストラ、時に哀愁と泣きを奏でるシンセが疾走し枯れたヴォーカルで溶け合う。
ボディ路線から傑作「Empire」の荘厳なトランスに戻った。宗教的ですらある音楽性はキリスト教ではない日本人には新鮮。傑作。お薦め。