Cabaret Voltaire - Groovy, Laidback & Nasty

Groovy, Laidback & Nasty

Groovy, Laidback & Nasty

8th。
前作はエイドリアン・シャーウッドと共同プロデュースでMinistryやPankowのようなインダストリアル・ボディを披露していたが、今作は当時隆盛し始めていたハウスを本格的に取り入れたアルバム。自分たちなりの解釈でシカゴ・ハウスを実践。そこはバーナード・サムナーとジョニー・マーのユニット、エレクトロニックの方向と似ている。でもどうしてもニューウェイヴが抜けなかったエレクトロニック比べ、80年代からニューウェイヴからボディに移行していた彼らにはニューウェイヴ臭さはない(でもニューウェイヴリアルタイム世代にはニューウェイヴが抜けていないと感じるかも)。シカゴ・ハウスと言うとチープで粗雑なダンス・トラックという印象はあるが、彼らは80年代を通して活躍していたせいかポップス寄りだ。だからクラブだけでなく家でも聴ける。次作でブリープに向かうのだが、この作品にも兆候は見られ、ダブ的なベースラインが聴こえたりする。また前作のボディ路線も残っており言うなればボディ・ハウス。
メロディがはっきりしているため次回作よりもテクノ度は低めで中途半端に聴こえるかもしれないが、80年代を残した展開でインダストリアルが好きな人にもとっつきやすい作品となった。また前述した通り家でも十分に聴けるのでハウスマニアで無くても安心。