Renegade Soundwave - In Dub

In Dub

In Dub

イギリスのEBMバンドの2nd。
Meat Beat Manifesto(以下MBM)とはかなり違ったとは言え手法的にはほぼ同じエレクトロニック・ボディ・ミュージック。MBMがインダストリアルとヒップホップを混ぜたように、こいつらもインダストリアルとヒップホップを混ぜる。手法的には同じなのに音はまるっきり違う。MBMはハードロック的(=ボディ)なシーケンスを多用したがこいつらはそれをしない。ボディ的展開はあるが根底にはダブがある。ベースラインは重く沈みこみ、ノイズが表面を加工する。だからインダストリアルを聴いたことの無い、90年代の初期のハウスを知る人にはBomb the BassやColdcutみたいに聴こえることだろう。というか自分なのだけどねwこのアルバムは高校生の頃にColdcut、Bomb the Bassの1stを聴いて後だったから、完全にアシッドハウスに聴こえたな。でもその後にMBMやFront 242を聴いて「ああ、RSWはインダストリアル・ボディだ…」と思った。ON-U系のダブってか、やっぱりCabsやエイドリアン・シャーウッドの影がちらつくというか。あとFront 242も。Front 242がON-U系のダブを解析して(彼等はそんなことは言ってないが自分にはそう感じる)暗いチープなクラフトワークでしかなかったFront 242がダブとある意味で表裏一体なボディ・ミュージックを作り上げたのと同じだ。
インダストリアルをベースとしながらもハウスやヒップホップを取り入れ、しかもダブのベースラインを多用し、インダストリアル・ダブというON-U系のボディだ。もしかしたらイギリスにおけるFront 242やレゲエの返答なのかもしれない。お薦め。