Suicide Commando - Critical Stage

Critical Stage

Critical Stage

ベルギーのダークエレクトロアーティストのほぼ1st。その前は全てテープだったので数えませんです。
この人の音楽といえばど真ん中のダークエレクトロというのが公のイメージだと思う。この作品も多聞にもれず従来のイメージそのまんま。だが今の彼と違う点もある。それは機材的な使い方なものだ。現在の彼はゴア系のようなシンセを加工しないクリアな音でメロディを多用してくる。これは個人的な感想だが、それ(クリアなシンセ)に慣れるまで時間がかかった。自分はテクノリスナーだったので加工しないシンセ音に最初は嫌悪していた。だがこの作品は以前の自分でも好きになれそうな音がぎっしり詰まっている。
ボディビートとクリアではないメタルビートの上を荒々しいダークシンセ、アシッドなベースライン、そして呻くようなヴォーカル。まるでNitzer EbbSkinny Puppyが合体したようだ。前述したようにクリアなシンセは聴こえず、スキニーな加工しまくったシンセやメタルビートが聴こえる。それは一部分で圧倒するのではなく全体の混合で攻めてくる。00年代の彼とはある意味で違っている。ゴアやフューチャー・ポップが出る前だからかも知れない。また現在の彼はこの作品のようにハードロック的シーケンスは使わない。あとメタルパーカッションも使わないな。これは結構正統なEBMかも。でもメロディはスキニー直系のダークシンセだけど。
テクノロジーを駆使したハードロック的展開とスキニーな悪夢的メロディが癖になる。クリアなシンセを多用しないがトランスも取り入れているのでボディリスナーだけでなくテクノ者も是非聴いて欲しい。これがボディやダークエレクトロにハマルきっかけになるかもよ。お薦め。