Celldweller - Wish Upon a Blackstar

Wish Upon a Blackstar

Wish Upon a Blackstar

アメリカ出身のKlay Scottによる単独プロジェクトの2nd。
前作のトランス部分は今作は全くなし。替わりに有るのはレイヴ!しかも2010年代のニューレイヴやエレクトロ方面のレイヴ・ミュージック。ベースラインがビリビリ(not御坂 美琴)で加速する。どうしたんでしょう?近頃インダストリアル方面は90年代回帰でトレント・レズナーHow to Destroy Angelsが90年代風トリップホップで回帰している時にレイヴ。しかも近頃のプロディジーと比較されてもおかしくない。
前身のCircle of Dustからトランスを取りいれて、トランスといっても全くヨーロッパ的ではないアメリカ独自のインダストリアル・ミュージックを奏でていた彼。ともすれば90年代のfront Line Assemblyと比較されても全く遜色の無いサイバーパンクは正しくもアメリカ的。それはCelldwellerになっても変わらず、アメリカなサイバー感と田舎臭さに溢れたトランスとインダストリアル・メタルを融合したジャンルを作り上げていた。それだけに今作のヨーロッパに影響されたレイヴ路線には驚かされた。まるでケミスツの「Spirit In The System [日本盤先行発売 / ボーナストラック・日本語解説付き国内盤] (BRC-265)」みたいなジャングル風ビートと加速するビリビリとしたベースラインだ。駄作とは言わない。というか最高傑作と紹介したい。だって流行に目配せしない新譜音楽なんて退屈だもの。
ヨーロッパ的なレイヴ・ミュージックを取り入れ、更なる高みの有るサイバーパンクを作り上げた今作は彼の中で異作であり、最高傑作だ。超お薦め。