Terence Fixmer - Silence Control

Silence Control

Silence Control

フランスのハードミニマル/ハードテクノアーティストの2nd。
前作でハードミニマルEBMの融合を試みた。この作品もその延長線上にある。だが今作はその融合度が恐ろしく高く、もうテクノ・ボディ・ミュージックという独自のジャンルを作ってしまったに等しい出来。前作はまだ稚拙というか、インストで完成している曲にヴォーカルを無理やり乗せてしまったような曲が多かった。DAFのシンセ・ベースのネタで十分なのに余計な音を足していた。しかしこのアルバムにはその余計な音が無い。削ぎ落とすだけ削ぎ落として、鋼の電撃肉体音楽を作り上げた。前作のミニストリー、ニッツアーエブ、DAFといった音ネタに頼ることなく独自の音を作り上げた新鮮なEBMだ。またデトロイトテクノを感じる部分も多く、まるでニッツアー・エブをURやデリック・メイがリミックスしたような曲もある。ここが前作と大きく違うところだろう。これで90年代のテクノと80年代後半のエレクトロニック・ボディ・ミュージックは違和感なく融合したのである。
デトロイトテクノハードミニマル、URのハードコアテクノはここでニュービートとEBMに出会い融合が完璧になった。90年代のテクノ好き、EBM好き両方にお薦めできる。彼の現時点での最高傑作だ。