Laibach - Volk

Volk

Volk

ユーゴスラヴィアのインダストリアル系バンドが世界14カ国の国歌をカバー。
これまでも色々な有名どころのバンドのカバーをやってきた彼等(ビートルズの「Let It Be」を丸ごとカバーしたアルバムなんてのもある)には、簡単すぎる代物。だが考えようによっては死球スレスレの内角球。80年代から一巻してナチスを思わせるルックスしてきた。こんなバンドがアメリカの国歌やイギリスの国歌をカバーして、喧嘩売ってるのか、それとも馬鹿にしているのか、まるで鳥肌実さんのライブを観ているよう。でもこれで彼等の正体が見えたような気がする。やっぱり民族主義全体主義は彼等にとって音を飾る一つでしかなかったことだ。また国家というものの全体主義性を告発している。彼等がマーシャル・インダストリアルのルーツであることは明白だが、マーシャル系バンドのPVをYoutubeでいくつか観るとやっぱりナチス的だったりする。やっぱりLaibachの音をヴィジュアル的にも表現するには最低だがナチスなのである。
最後に音の方を簡単に説明しよう(というか簡単にならざる得ない)。前作「Wat」の延長線上のゴリゴリのEBM。打ち込みハンマービートの上を国歌らしく壮大なメロディにアシッドなシンセ・ベース、厳ついヴォーカルががなり歌い上げる。特にちょっとNINを感じる泣きのピアノが入るアメリカの国歌や日本人が聴くと笑うしかないバラード風にカバーした「君が代」は要チェックや(しかし某○特会を始とする「行動する保守」がこの「君が代」カバーを聴いたら噴きあがるのでは?)。