Velvet Acid Christ - Maldire

Maldire

Maldire

アメリカのエレクトロ・インダストリアルアーティストの10th。
前作ではアコースティックギター等生楽器を取り入れてダークエレクトロの幅を広げていたが、今作は初期の頃に戻ったのかのようなフルエレクトロニックなアルバム。購入して随分とほったらかしにしていたが、徒花さんがブログでベストに挙げておられていたので*1聴いてみたら……。
結論から書くと最高傑作なのではないでしょうか。前作の不気味なブラック・フォークも面白かったが、今作の誰も寄せつけない、ハードEBM/ダークエレクトロは圧巻。通勤中に聴いてたら、一つ前の駅に降りそうになったw。これは片手間に聴いてはいけない。スキニー・パピーの「Vivisect Vi」とジュノ・リアクターの「Transmissions」を足したらこうなるのでは。スキニーの暗黒面やぶっこわれ感、緊張感、ジュノのサイケデリック・トランスが今までに無い高いレベルで融合している。先に初期に戻ったと書いたが、このアルバムは1stでは生まれないと思う。今までやってきたスキニー・パピーとサイケデリック・トランスの融合を繰り返してきた積み重ねがあったからこその今作だと思う。このサイケデリックトランスとハードEBMの中間というか増幅された音楽を聴いていると、スキニーやジュノが軽く聴こえてくる。
ダブステップやらブラック・メタルを取り入れるのが流行のインダストリアル界には目もくれずに作り上げた音楽は間違いではなかったことを感じさせてくれた。超お薦め。