Aesthetische - Powerswitch

Powerswitch

Powerswitch

ブラジルのEBMデュオの1st。
この音源、暗黒電撃音楽日記の人が去年のベスト*1に挙げていて、どうなんだろと思ってYouTubeで試聴したら凄くて即注文した一枚。
Hocicoとかしばしば南米から凶悪極まりないハードコアEBMが流れてくるが、この2人もその系譜。Hocicoもそうなんだけど、荒々しくもメロディはちゃんと大事にというか哀愁ある旋律が聴こえてきて、覚醒&興奮させるだけではない側面を持っていて、長く聴けるものになっている。あとこの頃しつこく書いてるけど90年代のトランシーなEBMを感じた。00年代のダークエレクロはちょっとサイバーなんちゃらな音使いをしていて、最初はちょっと……なんて思って敬遠していたのだが、聴くうちに慣れてって今ではスーサイド・コマンドーを一週間の内何回聴いてるか。でもこれは以前の自分でもハマリそうな音。90年代のZoth OmmogやJuno Reactor、ジャーマン・トランス、ニュービートをFront Line Assemblyのようなインダストリアル性及びサイバー・パンクと結びついたという表現が似合う。叙情性、酩酊感、漆黒、サイバーパンク全てが同じ点で交差する。
いやでもしかしEBMを聴くまではトランス自体が大嫌いだったのけれどね。自分が高校生の頃はトランスの連中が代々木公園でゲリラレイヴをやっていて(全盛期、海外の連中からも今ヨヨギコーエンが熱いと言われていたほど)、警察と衝突していたし……。当時はダフト・パンクを始とするフレンチ・ハウスや北欧のハードミニマルデトロイトテクノを聴いていたけど、あの連中と一緒の括りにされてほんと腹立たしかった。あんなテロリスト紛いの連中と一緒にされたくないという気持があったりした。だってさ現在の代々木公園に行って御覧よ!あれは全て00年代前半のテロリストがやった仕事のおかげですよ。あんなとこであんな時間帯に「ベルセルクの蝕紛い」のレイヴをやって警察や苦情がこないわけないじゃん!薬問題もあったりしてもう当時は(一緒にされることが)本当に憂鬱だった。でもEBMを聴くようになって、これはトランスでは?というものが多くて、あれ?今までよく聴かずに判断していたなぁと反省した。今ではあれほど嫌いだったサイケデリック・トランス(ハルシノジェンやトータルエクリプス、そしてジュノ・リアクターなど等)をipodに入れて通勤中に聴いている始末。
またまた南米から凶悪EBMが現れた。しかし激しいだけではない側面を持ち、それはHocicoとも似通っている。超お薦め。暗黒電撃音楽日記の人、ありがとうございました。