Numb - Numb

Numb

Numb

カナダのエレクトロ・インダストリアルバンドの1st。
後にマリリン・マンソンの仕事で有名になるデイブ・オギルヴィーがエンジニア/ミキシングで参加している。スキニー・パピーと同郷かつネットワークから出ているので、その時点ではスキニーに属していたデイブには同一プロジェクトだと思われる。なんでそう書けるのかというと聴けば一目瞭然でスキニー・パピースタイルのぶっ壊れたボディ・ミュージックだからだ。でもメタル・パーカッションが聴こえてきて、割とエブっぽくもあり、素直にエレクトロニック・ボディ・ミュージックしている。スキニーは打ち込みのみでジャンクを表現しようとするから。例外はミニストリーのアル参加の「Rabies」。あのアルバムだけメタル・ジャンク的な音響を取り入れている。
とここまで書いて気がついたけど、スキニーの「Rabies」の下書きのようなアルバムかもしれない。あのアルバムが当時立ち上がったばかりのインダストリアル・メタルを題材にしたように、このアルバムもそれを予見するような箇所がいくつか見られる。インダストリアル・メタルがスラッシュ・メタルを積極的に取り入れたように、スピーディーかつ鋭角なギターリフが聴こえてくる。
とここで矛盾するようなことを書くが、当時のスキニーは荒涼とした暴力性を前面に表現しながらもどこか朴訥としていた。がその雰囲気は「Vivisect Vi」から全く聴こえなくなってくる。しかしこのアルバムは「Vivisect Vi」以前の雰囲気を完全に残しつつ、メタル・ジャンクやメタル的なエレクトロニック・ボディ・ミュージックを鳴らす。
Vivisect Vi」以前と「Rabies」が同居した、凄いアルバム。ぶっ壊れたインダストリアル、ジャンキーかつメタル性を持つスーピディーなエレクトロニック・ボディ・ミュージックが聴きたい向きは買うといいと思った。あとゴシック/ダークアンビエント好きも買い。