X Marks the Pedwalk - Freaks

Freaks

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ドイツのEBM系バンドの1st。
ニュービートレーベルがテクノやトランスレーベルに移行する90年代初期。このオリジナル盤のリリース元、ドイツのハンブルグに拠点を持つZoth Ommogも80年代後半はニュービートで(というかドイツのエレクトロ系レーベル全てがニュービートだったらしい。ベルギー以外でも流行っていたんだね)、他のレーベルと足並みを揃えるかと思えば、このZoth Ommogはインダストリアル・メタルやゴス、ニュースクールEBMを目指すことになり、90年代においてクレオパトラ共にインダストリアルシーンを牽引することになる。
このアルバムはニュービートと90年代のEBMの狭間に存在するようなものではないかと思う。ニュービートがシカゴ・アシッドとより強固に結びついてミニマルな構成やTB-303の多用によってジャーマン・トランスになったように(これはあくまでも私見だから「お前の言うことは間違いだ!」という向きもいるだろうかと思う)、ニュービートが原点のEBMを残しつつメタルや同時のトランスと結びついたら……このアルバムになる。前者はレイヴでの「飛び」を意識した作りに移行するけど、後者はそんなに「飛び」を意識していないように思える。ポップスやロック的に聴くことを重視しているように感じる。あとメタルリスナーにも聴けるようなアプローチもある。
まぁ端的に書けば、80年代後半のゴシック、メタルをぶっ壊れたエレクトロニック・ボディ・ミュージックで表現してスキニー・パピーとニュービートが交差する時……と書けばインダストリアル界隈の向きには大分解りやすいかと思う。あとあと6曲目はサージョンがサンプリングしてますぞ!お薦め。