Memorandum - Ars Moriendi


スウェーデンのトライバル(!)・インダストリアルバンドのコンピレーション。
このバンド、レーベルがコールド・ミート・インダストリーというだけで試聴したけど、試聴1分後にはレジに持って行ってた。マジで凄いよこの音は。
端的に表すとノイバウテンやテスト・デプトが暗黒ゴシック・アンビエントとの融合を魅せたという音。ノイバウテンが来日時に新聞に「廃墟求む」という広告を載せたけど、「廃墟」となった「中世ヨーロッパ調のゴシック建物」内でテスト・デプトがライブを演奏している……そんな情景しか自分には見えない(そしてその風景は自分が欲して止まない映像だ)。
晴れの日でも電気や灯が無ければ薄暗いゴシック建築内だが、このアルバムの音像は天気が曇りの中で更に薄暗い(というか真っ暗)。そんな漆黒の中、FMアインハイトがメタルを叩き、ブリクサ・バーゲルトがのたうち回る……。半分人間の監督が石井岳龍ではなく耽美イタロ・ホラー映画監督ダリオ・アルジェントだったら……そんな身震いのする音楽がこのアルバムには詰まり過ぎていて、身体に悪い。
このレーベルは大体が暗黒アンビエントだったり、パワーエレクトロニクスと呼ばれるホワイトハウス姿勢のハード・ノイズだったりするが、かようなバンドが混じっているので侮れない。具体的なバンドを挙げるとMental DestructionやSanctum、そしてSophia辺りだろう。また暗黒アンビエントでも見逃せないバンドが多数いるので、コールド・ミート・インダストリー物がレコード店にあったら即試聴してしまう。
オレに良し、うん良し、過ぎて怖いくらいの傑作。入手は難しいと思うが、ユニオン(のメタル館及び階)やブックオフを根気良く周れば見つかるかもしれない。あとこの手の音楽に興味がある向きは、ツィッターで「凸守マーシャルインダストリアルbot」をフォローすればある程度解るかもしれない。というかオレはこのロボットで暗黒アンビエントや本エントリのような音楽を知った。