anokthus - APOTHEOSIS


日本でインダストリアルとか作ってる人の2nd(なのかな?)。
自分はリズミック・ノイズやパワーエレクトロニクスとかは全く聴かない(でもあの周辺のオモロい話は好きだ。ホワイトハウスとかコールド・ミート・インダストリーに属しているパワレエ一派)。なのでこのアルバムを紹介するとき一切その辺のことは言及しない(というか出来ない)。そんな状況にも関わらず書こうと思ったのは、自分が90年代後半から00年代前半に好んで聴いていた、北欧のハードミニマルブレイクコアと近いものを感じたからだ。
北欧のハードミニマルというとアダム・ベイヤー、カリ・レケブッシュなんかだろうか。レーベルだとコードレッドかな。あと旧ユーゴスラヴィアのユーメックなんかもああいう系統の音を鳴らしていた。このアルバムを聴いて思い出して、先日コードレッドのコンピを引っ張り出したけど、今聴くと結構ダークだったりゴシックな味を持つメロディが聴こえてきて(しかしビートは硬質で激ハード)、またまたああいうのを中古レコード店で漁ることになりそうだ。まぁでもあの周辺(さっきから「あの」ばっかりだ)はアナログが殆どだから、難しいかもね(今はMP3だろう)。
もう1つがブレイクコア。これはもう現在20代後半以降かつ90年代のテクノを聴いていた人間だったら一度はかすっているだろう。エイフェックス・ツインスクエアプッシャーがドリルン・ベースという人間が叩くのは不可能(スクエアプッシャー曰く「俺の音源を人力で表現するなら(演者は)PCP打たなければ無理だろう」と)なハードコアブレイクビーツの極北みたいな音楽を作り上げたのを更に引き継いで、それこそホワイトハウスみたいなパワエレとブレイクビーツを融合させた。ハードコア・テクノやガバのムーブメントに参加するには若すぎた(だってまだ小学校に入りたてだっての!当たり前だ!)自分がリアルタイムで接することが出来た唯一のシーンだった。あのブレイクコアの舐め腐ったサンプリング音と青臭いものが発散された割れ割れ激速ビートは自分におけるパンク体験のひとつだ。
特に彼らが引用してくる音源には笑った。最近になって知った元ネタは嵐の二宮和也君が出てたポッキーのCMで掛かってた曲。それを初めて観たのは渋谷のスクラブル交差点なんだけど、青になるのを待っていたら反対側のビルのオーロラヴィジョンで件のCMが映っててさ「あれが元ネタだったのか!」と驚きと笑いを堪えるのに必死で(その姿は不審者その者で)通報されそうでしたwまたそういう音を素直に使わずディストーションかけてメタメタにするっていうwあれはパンクだったなー。
なんかまとまらない文章になったが、(多分)自分と近い世代が作り上げた貴重なハードコア・インダストリアル。マジお薦め。ちなみに店頭で買いたいなら秋葉原の「D-STAGE*1」へジュリアナトーキョー・レッツ・ゴー(CV:ジョン・ロビンソン)。
試聴はhttps://soundcloud.com/anokthusで。