Intermix - Phaze Two

Phaze Two

Phaze Two

Front Line AssemblyのBill Leeb、Rhys Fulberから成るユニットの2nd。
ハードコア・テクノ。所謂ジュリアナトーキョッ!レッツ・ゴー(CV:ジョン・ロビンソン)ってな感じのレイヴトラックが満載。FLAのインダストリアルを期待する向きの感情を逆撫でするフーバーの音が疾走かつ暴走。なのでFLA好きは買わなくていいです。ぶっちゃけ。
とここまで書いて矛盾するが、当時のハードコア・テクノシーンとは全く同期しない部分もままあったりして、やっぱり出自がキャバレー・ヴォルテールとかのインダストリアルだと違うなと思ったり。大きく異なるのはブレイクビーツを極力使わないというとこだろうかな。お膝元のイギリスだとビートが生ドラムをサンプリングして歪ませたり、テンポを変えたりしてなんらかの加工処理して、その音で下手するとアルバム一枚作ったりするが、この人達はフルとは言えないが打ち込み主体の音作り。
これは他のエレボディ系バンドにも共通してるけど、あんまりブレイクビーツを使わなかったりする。一聴きで生ドラムの音では無いと解るようなエレクトロニックなビートを志向していたりする。ミニストリーとか聴くと、そのことがよく解ったりするかもしれない。でも勿論例外はあってミート・ビート・マニフェストとかは生ドラムをサンプリングして入れ込んだりしている。ミート・ビート・マニフェストはヒップ・ホップだね。メカニカルな雰囲気を構築することに執心するエレボディにおいてデジタルかつジャスト・リズムなハンマー・ビートが最適解であって、ズレがある(つまりジャストではない)元は人間の叩いたブレイクビーツは排除されるべき音なのかもしれない。
その所為でどこかで聴いたことがあるリフがメドレーの如く左から右へと流れて行くのだが、やっぱりFLAを聴いているという感が拭えない。まぁ、これはFLAを聴いてきた人間の感想に過ぎないから、全くFLAを聴いてこなかった人は自分と全く違った感想を持つと思う。
FLAのようなエレボディやインダストリアル・メタルを期待する向きにはお薦めできないが、ハードコア・テクノやハードコアレイヴが好きかつEBMも好きな人(いるのか?オレ意外に)には是非聴いてもらいたい一枚。