Clock DVA - Advantage

Advantage

Advantage

イギリスのインダストリアル系バンドの3rd。
1970年代後半からよくノイズ・インダストリアル系にあるテープでのリリースを経て1980年にスロビッング・グリッセルの「インダストリアル・レコーズ」から1stという(この手の音楽に正統派という言葉は似つかわないが)正統派ノイジシャン。
が、このアルバム、ノイズとは呼べない(てか呼びたくない)ニューウェイヴ的ロック。というかポジティヴ・パンクやコールド・ファンク。1980年代中期以降、多くのノイジシャンが脱ノイズ化してダンスや他ジャンルに向かったが……。先陣を切ったキャブスの影響でも受けたのかな?同じシェフフィールドだしね。
しかし、エレクトロ・ファンク化したキャブスと比べるとこのアルバムはジョイ・デイヴィジョンやア・サーテン・レイシオを思わせる暗黒的で冷たいポジティヴ・パンク。また当時の23Skidooといったバンドが居た「イルミネイテッド・レコード」を匂わせるオルタナティヴ・ダンスでもあると思った。この手法をフル・エレクトロニックで表現すると1980年代後半のエレクトロニック・ボディ・ミュージックとなることは後期Clock DVAのアルバム群を聴くことで理解出来ると思う。
そう!ポジティヴ・パンクこそがEBMのルーツでもある。ジョイ・ディヴィジョンがよくカバーされること。キリング・ジョークの面子がミニストリーに参加したり、ピッグフェイスを始めたりするのにはこういう理由がある。特にキリング・ジョークの影響は凄まじく、ペイルヘッドやデッサウなんかを聴くとキリングをエレクトロニックに表現したことがよく解る。
ちなみに自分が持っているのはクロックDVAやパンコウが居たイタリアのエレボディ系レーベルから1990年代前半に再発されたCDだ。こういうことからも理解が出来ると思う。あと結構ピアノの音を使ってて(インダストリアル系にしては珍しいかも)NINのルーツでもあるかもしれない。お薦め。