Terence Fixmer - Muscle Collection

Muscle Collection

Muscle Collection

フランスのテクノ系アーティストの1st+シングル他を集めた2枚組。
1990年代後半から2000年代前半を駆けた1980年代リバイバルによってそれまで隆盛していた所謂「ハードミニマル」又は「ハード・テクノ」は脇に押しやられた感があった(あくまでも個人的な観点ですw)。しかし、その「ハードミニマル」はその間も独自の発展を遂げていた。
その発展の一つとしてこのTerence Fixmerを挙げたい。起点はリッチー・ホウティンのMIXCD「Decks, EFX & 909」だろうかと思った。これは1990年代の「ハードミニマル」総決算のようなMIXでかようにハードだが、リストを見るとニッツアー・エブの「Let Your Body Learn」を見つけることができる。
そうエレクトロニック・ボディ・ミュージックハードミニマルにも1980年代リバイバルが存在していて、それは同じくハードなEBMだったという訳!テンポがそんなに速くない1980年代のエレ・ポップス、NWは高BPMハードミニマルのセットに組み込むことができず、どちらかと言えばハウス寄りでハウスDJが好んでエレ・ポップスを組み込んでいた。しかし同じ1980年代でもエレクトロニックだが「ハードロック」なEBMはテンポが速くてハードミニマルのセットに組んでも、乱すことが無い。そこでDJ達はEBMを選んだのだろう。よりハードコアに、という思想がテクノロジーを駆使した「ハードロック」と同期。
Terence Fixmerはその思想を受け継ぎオリジナルまで昇華させたアーティストの一人かと思う。DAFや前述したニッツアー・エブのベースラインをハードミニマルに落とし込んだ本人曰く「テクノ・ボディ・ミュージック」は当時高校生になったばかりの自分には衝撃だった。とはいっても当時はまだEBMというジャンルすら知らず、Terence Fixmerもまたヘル主宰する「International Deejay Gigolo Records」のコンピに収録されていた曲が初体験だったが「ロックっぽいハードミニマルだなぁ」としか感じなかった。後にDAFやニッツアー・エブを聴いてあのベースラインはここ由来だったのか!と気づいた位。
ハードミニマルの極北はインダストリアル、EBMにあり!という事実を知らしめたのはRichie Hawtin、Terence Fixmerの功績だ。かくいう自分も今、インダストリアルやEBMにハマっており、その起点はこの両人にあったのだと2014年現在に強く思う。お薦め。