Front Line Assembly – State Of Mind

State of Mind

State of Mind

カナダのインダストリアル/EBM系ユニットの1st。
例のインダス本こと「INDUSTRIAL MUSIC FOR INDUSTRIAL PEOPLE!!!」に因ると「アインシュテュルツェンデ・ノイバウテンのギグを一緒に観た」ことを切っ掛けにかようなユニットを結成した、と書いてある。が、このアルバムに収録されている音楽はメタル・ジャンクではなく、1980年代中期からのキャブス(キャヴァレー・ヴォルテール)、マーク・スチュワートらのON-U系のハードかつダンサブルなビート・ノイズ。なので多分、前述の発言はブチャラティがビル・リーブ、マイケル・バルク両氏の汗をなめたら「この味は!……嘘をついている味だぜ……」と発することだろう。
というかぶっちゃけるとキャブスとON-Uを水で薄めたような趣です。まだまだ過渡期という感じ。とはいえミニストリーやフロント242がこの時期にクオリティ高き音源を連発して所謂「エレクトロニック・ボディ・ミュージック」が爆発しているのでスタートが遅かったのかもしれない。だって1990年代に入ると先に挙げたミニストリーやフロント242を軽く引き離すほどの音源を連発するのだから……。
しかし、このアルバムの荒涼としてダークな雰囲気は時と場所、天候によってはたまらない趣を作り出すので結構最近聴いたりしている。
例えば曇りの日中で帰宅中の車内という状況で半覚せいの状態でぼんやりと曇り空、ビル群を眺めている時、i-podからこのアルバムが流れて来たら、それは最良のサウンド・トラックだ。お薦め。