Prurient – Cocaine Death
Cocaine Death by Prurient (2008-11-25) 【並行輸入品】
- アーティスト: Prurient
- 出版社/メーカー: Hospital Productions
- 発売日: 2008/11/25
- メディア: CD
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この人が作る音源は漏れなく凄いことになってるけど、この編集盤はその極めみたいな内容になってる。端的にはホワイトハウス、ラムレー、SPKといったパワーエレクトロニクスなのだが、更にそこからダーク・アンビエントや1990年代のUKテクノまで取り入れている。そして1970年代後半から1980年代前半のノイズ・インダストリアルを大幅に更新することに成功しているのが凄い。
ちょっと話が変わるけど、さっき挙げたジャンルの中核またはパイオニアたち、キャバレー・ヴォルテールやスロッビング・グリッスル、そしてSPKやホワイトハウス。これらのバンドたちは1980年代も半ばになると解散したりまたは新たなバンドを立ち上げたりしていった。継続組も大きく音楽性を変えていったし新たなバンドたちもまたそうだった。少なからず「ノイズ・インダストリアル」から卒業してダンス・ビートを取り入れた作品を発表している。キャバレー・ヴォルテール、SPK、スロッビング・グリッスルのジェネシス・P・オリッジが立ち上げたサイキックTVはその代表例だろう。
しかし、このIan Dominick Fernowが奏でる音は全く1980年代のパワエレで、その雰囲気までをも受け継いでいる。それでいてAFXやオウテカを思わせる音まで取り入れて融合させている。また2000年代前半のブレイクコアにも通じる味も感じられるのが凄い。というかAFXやオウテカはもしかしたら「ノイズ・インダストリアル」をあの時代において表舞台で演っていた唯一の生き残りだったのでは?とまで感じてしまう。それはブレイクコアだってIan Dominick Fernowの音を聴いた後ではそう感じてしまう。
ちょう傑作。ラムレーとAFXが交差するとき……。ちなみに興味を持たれた向きはIan Dominick Fernowの別名義やレーベル「Blackest Ever Black」周辺を聴いてみるといいだろう。