Bigod 20 – Supercute

Supercute

Supercute

ドイツのEBMバンドの2nd。
ヴォーカルにてフロント242からJean Luc De Meyerを迎えての曲、そして筋骨隆々の漢たちが工場群をバックにしてハンマーで鍵盤を叩かんとするジャケからして「エレクトロニック・ボディ・ミュージック」だった1st。そんな1992年という時代でも錯誤甚だしいものではあったけれど、この二枚目はメタルギターも取り入れたりしてそれなりに時流に沿っている。だが基本的にはフロント242ライクなEBM。でも割とこのレーベル「Zoth Ommog」からそういう音が出てくるのは珍しいのかも。他はレザー・ストリップ、サイコポンプス等のダークな音ばかりだから。あとこの頃には多くのEBM系バンド達がインダストリアル・メタルに移行していたので、かなり貴重だったと思われる。え?需要が無い?そんなもん知らねぇよ!あとあとジャーマン・トランスに一歩手前な曲もあり、メンバーのTalla 2XLCは後にトランスシーンにて頭角を現すのが解るだろう(但し所謂ウェイ系のトランスなので注意すること!)。
このTalla 2XLCなる人物はBigod 20に限らず多くのEBM系のバンド、レーベルを世話したり、コンピを企画していたEBMシーンにおいて最重要人物。よくトランス、サイケデリック・トランス、ゴア・トランスのルーツがEBMにあるという言説はこのTalla 2XLCの業績から来ているのでは?と個人的に思っている。だってEBM/ニュービートからトランスへの橋渡しを見事にしたのだから。
このレーベル初期のEBMライクなニュービートを感じることが出来ると同時にトランスへの橋渡しも感じることができる佳作。フロント242とポール・ヴァン・ダイクが交差するとき……。