Pankow - Omne Animal Triste Post Coitum

Omne Animal Triste Post Coitum

Omne Animal Triste Post Coitum

イタリアのインダストリアル/EBMバンドのライヴ盤。1990年、アメリカでのツアーを収録している模様。
このバンド、1stでエイドリアン・シャーウッドにPちゃんとミキシングやらとエンジニア仕事を頼んでいるけど、この時代としてはミニストリーの2nd級のハイクオリティを誇ると思った。その後も一任しているとこを見ると当人たちも相性が良いのだと感じていると見た。
UKにおいてレゲエとダヴの総本山のON-U総帥であるエイドリアン・シャーウッドによるダヴ加工処理とニッツアー・エブ、DAFなボディ、そして彼らのイタロ気質が混ざって妙な味わいを持ったエレボディ。エレクトロニック・ボディ・ミュージックは主要国以外の辺境及び周辺国から出てくることが多いけど、このパンコウもまた前述した通りそうとうなオリジナリティを擁している。旧ユーゴのライバッハ、ボルゲイジア、ベルギーのフロント242とも、アメリカのWax Trax!勢とも違う。でも強烈に「エレクトロニック・ボディ・ミュージック」であることは聴けば解るだろう。
このライヴアルバムは2ndを出した後のほぼ全盛期。YouTubeにある彼らのライヴ映像をいくつか観ると、シンセ・ドラムにヴォーカルというDAFを思わせる簡素なスタイルだが、このライヴ盤ではギターにキーボード(サンプラー)、(多分シンセ)ドラムというバンド編成でミキシングを行う卓まで彼ら操作で持ち込んでいる模様。
性急なハンマービートの上をスタジオ盤以上にズタズタにされて歪みまくっている上物が乗っかるという恐ろしいまでにカッコよくて震える。こんなライヴを体験出来た人達に嫉妬を覚えてしまう内容だ。
この手のバンドのライヴ盤は内容がスタジオ音源と同じで資料程度の価値しか持たないものが多いが、本エントリで紹介するような恐ろしき盤もまた存在するということが解る一枚。ちょうお薦め!買え!以上!