Mentallo & The Fixer - Revelations 23

Revelations 23

Revelations 23

米国のエレクトロ・インダストリアルプロジェクトの2nd。
前日のエントリでちょっと書いた通り1990年代に入ると多くのエレボディ系レーベルが移行を初めて、このアルバムが出た1993年には殆どのレーベルなりアーティストが移行完了していて、まるでエレボディ期が「……という夢を見ていたんだ」状態。しかしながら夢を捨てない、というか全く覚めていない連中もいたようで、それが本エントリで紹介するアルバム。
フロント242、フロント・ライン・アッセンブリーの1990年代初頭の音をよりトランス方面へと推した様なアルバム。トランスといえばエレボディからのニュービートが思い浮かぶだろう。でもよりダークかつゴシックに傾いた音像はやはりフロント242やFLA側。またこの頃はジャーマン・トランスが全盛ではあるがこの音を聴いているとそこに近い物も感じながら、さっき書いた通りエレボディだから驚いてしまう。時代感覚が欠如している。あとTB-303を鳴らし、もうちょっと曲げたらゴア、サイケデリック・トランスにも通じてしまうのが凄い。
後にも通じるし、前時代的な音も残している。ここまで書いて矛盾してしまうが、前日のエントリで触れた「時代の狭間」を感じてしまうし、このジャンルにおける「隙間」というのも同時に感じてしまう。ミクスチャーと呼んでしまうのもなんか似合わないしね。「隙間」と「狭間」がしっくりと来る。
1990年代初頭のフロント242、FLAが好きな向きでゴア、サイケデリック・トランスが好きな向きにはちょうお薦めしたい一枚。