Test Dept. - Beating The Retreat

Beating a Retreat

Beating a Retreat

イギリスのインダストリアルバンドの1st。
1980年代においてノイバウテンと並んでメタルパーカッション(以下:メタパー)を前面に出したスタイルでホワイトハウスやラムレーとはまた違った工業騒音楽を奏でていたグループ。前述した通りメタパーを多用することからリズムやビートを持つことも当時のパワーエレクトロニクスとは明らかに違う。そのことからロック的な構成を持っている点で後のエレボディの原点ともいえるだろう。実際この頃既にディー・クルップス、ポーション・コントロールらはエレクトロにメタパーを取り込んでおり、プレEBMを聴かせてくれていた。しかし、エレボディを感じる曲はこのアルバムでは四割ほど。次作で魅せるメタパー連打はおとなしめ。
で、残りの6割は?というとヴィヴェンザ、ルストモード、MBを思い起こさせるインダストリアルダーク・アンビエント。就業時間が終わり全ての工作機械が止まった工場から漏れてくる音をそのまま曲にしたような感じ。耽美で退廃的な雰囲気が身震いを起こすほど伝わってくる。ノイバウテンと石井監督作の「半分人間」との共通性を見せながらもまた趣異なる工場美を魅せてくれる傑作。買って損は出来ない内容。買え!以上。