And One - Anguish

Anguish

Anguish

ドイツのEBM/シンセポップグループの1st。
この人達、近年は割と哀愁あるキラキラとしたシンセ・ポップスで有名なのだが、この1stはボディ。メタル・パーカッションとエレクトロ・ハンマービートにビコビコシンセ・ベースとシャウトが乗る䧺度高めなアルバム。
この時期(1991年)はボディが衰退してトランスの猛威がヨーロッパ全域を襲っていたようだが(アメリカではインダストリアル・メタルの猛威が)、ドイツやベルギー、そして東欧ではそれなりに残っていた……というか健在だったよう。このアルバムもどこ吹く風で猛々しいメタル・パーカッションにハンマービートを鳴らす。中近東っぽいメロディにニュービートを思い起こさせるのもまた良い。
ドイツらしくジャストで硬い質感のハンマービートに哀愁があるメロディが乗るのもまた良し。そしてそれは1980年代半ばのデペッシュ・モードを思い起こさせる。デペッシュ・モードのフォロワーバンドは腐る程いるが、この頃のデペッシュをフォローしようとしたバンドやグループはこのグループを含めて(自分の聴いてきた限りでは)片手で十分な数ぐらいだ。
デペッシュ・モードが奏でていた哀愁インダストリアルを引き継ぐようなアルバム……という表現が正しいのかもしれない。そこにフロント242の様なボディも入ってくるのだから、自分によし、うん、よしとしか表せない。