Ministry - Flashback (With Ogre)

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1988年12月20日Washington DCの9:30クラブにて行われたライヴを収録した非公式盤。つまるところブート盤。ちなみに裏ジャケに書いてある年日付は間違ってるそうです。
収録されているのは9割がた3rdから。時系列的に3rdが発表されてまもない頃だから当然なのだけど。でもこの頃のライヴ音源はかなり貴重かもしれない。
なんで貴重かと言うとこの辺りからスラッシュ・メタルを大々的に取り入れた曲を出し始めるからだ。3rdはまだ以前のようなボディとメタル……所謂「インダストリアル・メタル」が50:50のアルバムでこのライヴ盤もそれを示している。中途半端といえばそうなのだけど、以降はメタル系バンドのライヴとなんら変わりの無い音に変化するのだから、貴重だ。
しかしながら客の反応には驚かされた。曲が終わる度に聴こえてくる奇声、雄叫びと放送禁止な掛け声……エレクトロニック系でありながらハードコア・パンクを思わす客層は当時アメリカで「エレクトロニック・ボディ・ミュージック」や「インダストリアル・メタル」がどういう層にどういう風に聴こえていたのかが解る。エレクトロ・ポップス、ニューロマンティクスとは明らかに違うということが解ってしまう。
メタル化する前のミニストリーエレクトロニック・ボディ・ミュージックとハードコアと結びつきが改めて見えてくる好盤。興味を持たれた向きはブート盤ゆえ、入手は難しいだろうが、ディスク・ユニオンや都内のブックオフを巡っていれば見つかるかもしれない。