Peter Rehberg - Work For GV 2004-2008
- アーティスト: Peter Rehberg
- 出版社/メーカー: Editions Mego
- 発売日: 2008/11/11
- メディア: CD
- 購入: 1人
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このMegoなるレーベルはFenneszとかを出してて「エレクトロニカ」レーベルだと私は認識しとったのですが、Megoレーベルのカタログを眺めているとBruce GilbertとGraham LewisのDomeとそのBruce Gilbertのソロ、パン・ソニックのMika Vainio、Prurient、そしてKTLらが作品を出しており、認識を改めなくてはいけないようだ。
自分はこのPeter Rehbergという人の音は某メタル雑誌のクロスレビューで栄えある4点を記録したSunn O)))のStephen O'Malleyとのタッグから成るKTLだった。この名義では1980年代のホワイトハウスを思い起こさせるようなギターのフィードバックノイズからのハーシュ・ノイズにエレクトロニカでトランシーな電子音が絡むというネオ・パワーエレクトロニクスと呼びたいくらいの驚きを聴かせてくれた。静から始まって徐々にギターのフィードバック・ノイズとエレクロニック・メロディがブーストしてくる震えが来るほどにドラマチックな展開は2000年代半ばのエレクトロニカシーンに於いては異端しか感じなかっただろう。この音をメディアではKTLをドローンとかブラック・メタルと表わしていた。
この名義でもノイズ・インダストリアルは健在。KTLほどではないがハーシュ・ノイズを聴かせてくれる。というよりもKTLからギター・ノイズを引いた感じといえば伝わるだろうか。そう書くとヴォリュームが足りない音だと思う向きがいるだろうが、そんなことはなく、よりメロディアスでドロドロとしたダークさが強調され、かつクリアな音で魅せてくれる。デス・イン・ジューンやカレント93がエレクトロニカを演っているような音だ。
エレクトロニカとインダストリアルの中間で橋渡し的なものに仕上がっていて、エレクトロニカ、インダストリアル、どちらの向きにもお薦めしたい一枚。勿論KTLを好む向きにもお薦めだ。