Leæther Strip - The Rebirth Of Agony

The Rebirth Of Agony

The Rebirth Of Agony

デンマークのエレクトロ・インダストリアル系アーティストの6th。
1990年代のEBM系残党の中ではフロント・ライン・アッセンブリーらと並んで活動が盛んだったアーティストの一人。それなりのセールスも上げていたよう。
しかし、もうこの音はEBMというよりもサイケデリック・トランスと呼ぶべき音像でディストーションヴォイスがなかったならインダストリアルにもならない。 このアーティストが居たレーベル「Zoth Ommog」はその初期、1980年代末期当時ドイツとベルギーにあった多くのエレクトロニック・ダンス系レーベルと同じようにニュービートものを出していたが、このアーティストは見事にそのノリを引き継いでいる。初期Zoth Ommogは他のレーベルとは違い、アシッド・ハウス色が薄く、EBM直系のハードでインダストリアル色が濃かった。そのニュービートのダークかつゴシカルな音は後のジャーマン・トランスやUKトランスにも引き継がれたが、インダストリアルを強く残している点で初期Zoth Ommogのそれだろう。
しかし、内に沈み込んで行きながらハードコアにも突き進んで行く様な音像はサイケデリック・トランスとしか形容できない。このアルバムを聴けば、EBMがゴア、サイケデリック・トランスの源であったことは一目瞭然だ。
初期Zoth Ommog的ニュービートとサイケデリック・トランスが交差するとき……。お薦めの一枚。