Mental Destruction - The Intensity Of Darkness


スウェーデンのインダストリアルユニットの2nd。
Cold Meat Industry(以下CMI)からのリリースということで、ダークアンビエントかノイズだと思う向きもいるかもしれないが、この作品はダークアンビエントの側面を見せながら、Missing Foundation(以下MF)のようなジャンクで圧倒させる。ノイズ混じりの金属ビートに電気加工処理したヴォーカルが喚く。
以前3rdアルバムを紹介したとき、Skinny Puppyと石川忠の競演と書いたが、80年代から90年代のジャンクを聴いた今では、違うように思えた。Skinny Puppyのゴミ屑っぷりはホラー映画に出てくる血や肉片といったとこだが、このユニットはMFのような都市のゴミ箱や荒涼とした雰囲気と工場から漏れてくる騒音に近い。しかしMFに無いものもある。それはダークアンビエント特有のゴシックっぽさだ。中世ヨーロッパ的な様式美。それがインダストリアルと結びついてCMIから出るに相応しいアルバムとなっている。真・女神転生1の邪教の館がイメージとして現れる。
ゴシックなダークアンビエントとMFのジャンクが交差する時このアルバムが生まれる。お薦め。