2020年良かったアルバムとかEP

Monument

Monument

  • アーティスト:Molchat Doma
  • 発売日: 2020/11/13
  • メディア: CD
ベラルーシのダークウェイヴバンドの3rd。
ジョイ・ディヴィジョンがそのままニュー・オーダーを演っている……と表わせばいいのか。
イアン・カーティスが自殺しないまま、マーク・リーダーからハイエナジーイタロ・ディスコの音源を渡されたらこうなっていたかも、と思わせるような音。
ヴォーカルがロシア語なのも面白いが時折、東欧っぽいメロディラインが聴こえてくるのもまた妙な味わいを醸し出して面白い。
3枚目になってよりイタロ・ディスコの様にいなたくなっているのも自分によし。あとYouTubeに上がっている1980年代の東欧や旧ユーゴの暗黒ニューウェイヴやシンセポップスに近い感じもある。UK大御所インダストリアルバンドの2020年作。
とはいっても、1980年代末期からハウスに移行してその後はIDMをやったり。本作は1994年以来のオリジナルアルバム。また現在はステファン・マリンダーが抜けてリチャード・H・カークのソロになっている。
そのソロになってからの一枚目。聴く前は1990年代以降のキャブスやリチャードのソロ作群が浮かびIDM色が強いのかと思ったが一曲目からそれがイマジンブレイカー
全く、1980年代後半のベルジャンニュービート!でインダストリアル色が濃かったニュー・ゾーンやゾース・オムモグを思い起こさせるような音。8thアルバム「Code」の後に出していたら上手くハウスに移行出来ていたのでは?と思えるような。後半になるとダヴっぽくなるのも心地良い。
detritirecords.bandcamp.com
イタロEBMアーティストの2ndEP。
以前のエントリでも書いた「Detriti Records」から。このレーベルは旧ユーゴ、東欧のダークウェイヴやEBMを出していて自分的にかなり要チェックやで!なんですが、このイタロも要チェックな音を出してマス。
彼のFBを見ると相当若いようでフェイバリットの中に旧ユーゴで1980年代に活動していたEBMグループ、デモリション・グループがあって驚きましたが(自分と同じようにYouTubeから見つけたのだろうか)、それを鑑みて彼の音を聴くと何故Detriti Recordsから出しているのかがより一層深みを増して理解できます。
1980年代後半、それまでのシーンとは一転して今まで聞いたことが無いような国から面白い音楽が出てきて、それが当時のダークウェイヴ、EBMシーンを形成していたが、このEPはその再来。
Hallucination Scene

Hallucination Scene

  • アーティスト:Black Magnet
  • 発売日: 2020/09/25
  • メディア: CD
アメリカのインダストリアル・メタルアーティスト。
ゴッドフレッシュとクラウス・ラールセンのインメタPクルートを足してひたすらブラストしている超強烈なアルバム。
爆撃機が爆弾を落としながら超高速で上空を通過していくような感じ。激インダストリアル・ハードコア!
Casablanca Flamethrower [Explicit]

Casablanca Flamethrower [Explicit]

  • 発売日: 2020/04/01
  • メディア: MP3 ダウンロード
数多の名義を持つDominick Fernowのプロジェクトのもう何枚目になるのか知らないアルバム。
ジェノサイド・オーガンを擁するバリバリハードコアなパワエレレーベルからの発表。それに相応しいドロドロの暗黒かつハードなパワエレでこの名義としては久々の場外超特大ホームラン。
この人は元々メタルヘッズなのでこの手の音楽にしてはちゃんと展開があってそれが面白かったのですが、ここ数年は敢えてそのノリを(この名義では)抑えているような感じが聴こえてきたのだが、今作は久しぶりに元メタルヘッズの矜持を魅せてくれた。近作のヴァチカン・シャドウをインダストリアルに傾けたような感じもある。何にせよ暗黒インダストリアルですばら。
Persian Pillars Of The Gasoline Era

Persian Pillars Of The Gasoline Era

  • アーティスト:Vatican Shadow
  • 発売日: 2020/09/18
  • メディア: CD
で、またDominick FernowのVatican Shadow名義の2020年作。一年で二枚のアルバムを出しやがってますね。凄い。
暗黒な喜太郎と呼べばいいのでしょうか。ニューエイジっぽさとルストモードやMBのような荒涼としたダークアンビエントが融合しちゃっている。
1980年代半ばから1990年代初頭のデペッシュ・モードのアルバムやシングルのB面に入っていたようなインスト曲を思い出してみたり。