Front 242 - Official Version

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3rd。
ここからがEBMの始まり(ポーション・コントロールとかDAFは彼等自身がボディを称していないので却下)。シングル「Politics Of Pressure」でそれまでのダークかつチープなスタイルを捨てエレクトロニック・ボディ・ミュージックに。歪んだハンマービートの上をギターサンプリングやなにやら気分を高揚とさせる声、アシッドなシンセベースと重苦しいシンセメロが乗っかり、そしてだみ声ヴォーカルが肉体言語を喚く。ディー・クルップスが目指す(?)「オレの身体の筋肉はどれをとっても機械だぜ」が具現化したアルバム。
まぁボディに関してはこのバンド、WAX TRAX!(&その他)から出した「Endless Riddance」から本格的にボディ・ミュージックに成り始めた。以前にも書いたけどこの変化はリチャード23が加入したことが大きいと思う。ポストハワード・ジョーンズ(個人的にこのアーティストは好きなので何故アルさんが嫌がったのかを考えると辛い)だったミニストリーが変化したのはリチャード23が関わった「The Nature Of Love」からだ。同じ年にWAX TRAX!に移籍した(というか地元に戻った)のも大きいけどミニストリーでのWAXの第一弾シングル「All Day / Everyday(Is Halloween)」はまだエレクトロ・ポップスの範疇だった。また今「The Nature Of Love」を聴くと後のRevcoの1stの下書きのような曲に聴こえるけど、この曲がなかったらミニストリーは未だにポップスを演奏していただろう。
前作から大きく進化してエレクトロニック・ボディ・ミュージックというジャンル以外には当てはまらないであろうアルバムを作り上げた。この路線は次の「Front By Front」で完成し商業的成功(なんでもWAXで一番売れた作品)を得て、多くのフォロワーやアンチを生む。お薦め。