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Depeche Mode - Delta Machine

Delta Machine

Delta Machine

前作で新たな活路を見出しようで、この作品もその延長線上。ほんとは前作の後すぐに出したかった!……が諸々の理由から今までお蔵入りだったのでは、と考えてしまう。
という訳で、あんまり耳を変えなくて済む。前作の紹介文は書いてなかったはずなので、前作も含めて紹介していこう。2009年に「サウンズ・オブ・ザ・ユニバース」を出したとき、マーティンゴアがTV放送のインタビューで「このままだと今までの模倣的なアルバムしか出来ない。そこで目をつけたのがヴィンテージシンセなんだ」と。これまで(というか80年代)において(あんまり自分は機材に明るい方ではないけど)デペッシュは最先端の機材を使ってきた。サンプラーが出れば奇もてらいもなく、デジタルシンセにも軽く手を出す。80年代においても「DX-7がエレクトロ・ポップスを殺した」と頑なにアナログシンセを使うヴィンス・クラーク(今はどうなのかは知らないが)とは違い、こだわりがない。でも出来た作品を聴けば解ると思うが、頑固なまでに自分達の色を持った音楽を作り上げる。で前作と今作の話に戻ると、ヴィンテージ機材を多く使ったため、安っぽく聴こえるかもしれない。でも聴けば聴くほどに彼等の十八番である耽美や哀愁がにじみ出る素晴らしいシンセ・ポップだ。しかも前述したマーティンの言葉通り80年代、90年代、はたまた00年代前半、どのアルバムにも重ならない。確かに彼等の節はいくらでも聴こえてくる。しかし肌触りというか、同じ世界なのだが違う……。アニメ及びゲームの「CLANNAD」を観たときの感覚に近い……と言えば一部の人間(笑い)には解ってくれるかもしれない。明らかに古臭い物語だが、過去のどの物語とも同期しない。核の部分はまるで使い古した物だが、外装が新しい(と感じてもいいのだろうか?)ため受ける印象が異なる。
ここまで書いてきて気が付いたが、このアルバムの手法、今まで彼等がやっていたこととなんら変わらないのではないだろうか。常にその時代の新しい機材を使って自分たちを構築していく。機材をいじくり倒して何かが降りてくるのを待つ。前作及び今作は古い機材に賭け、神託が降りてくるのを待つ。全く同じではないだろうか。
矛盾が多く何かとっちらかった紹介文になってしまったが、今作は今までの手法ながら前作同様にまた新たな側面を魅せてくれた。まだまだデペッシュ・モードは健在だと自分は感じることが出来た。今年のベスト。買え。